3ヶ月でマスター?そんな安直な方法があるのかと思わず突っ込みたくなりますが(笑)面白そうだったので今年の4月に始まった12回シリーズの再放送を見てみました。本日はお勉強した自分用の備忘録です。
自分が学生の頃は歴史と言えばひたすら暗記科目、さらに日本史と世界史に分かれていましたがこの番組ではそのような枠組みを払拭した内容でした。特にアジアから見る視点、とりわけ遊牧民が介在した交易による東西ユーラシアの歴史という見方が新鮮でした。
遊牧民が支配するモンゴル時代はまさに世界史上稀有の出来事でこれによりユーラシア大陸東西間の交易は飛躍的に発展しました。ただ広範な自由往来はそれまで地域限定だった疫病が大陸全体に広まり、さらに天候不順もあってやがて国家の衰退をもたらしました。つい最近のコロナ禍も繰り返される歴史の出来事の一つなんですね。
ユーラシア大陸の西端に位置するヨーロッパは痩せた土地と厳しい気候、東端に位置するアジアは豊かな大地と温暖な気候という対照的な地域として捉えていました。その上でヨーロッパの台頭はその逆境や貧しさからの脱却願望がその原動力だとしています。中東地域にオスマン帝国が誕生して以降は陸路での東西交易が難しくなる状況に追い込まれます。そこでヨーロッパは大海原に航路を開拓し、やがて世界を席巻することになりますのでまさに必要は発明の母と言う事になります。
一方アジア地域を支配していた中国はその豊かさがむしろ国家の近代化の足枷となりました。ヨーロッパで未曾有の被害を出した第一次大戦後の反戦気運が高まっていた最中に日本が起こした満州事変はその気運を”ちゃぶ台返し”したと捉えています。いわゆるKYですよね(笑)当時の日本にはこの事変が世界に及ぼす影響を俯瞰するという視点が決定的に欠けていたように思います。
今の世界情勢を理解する上で歴史は決して過去のものではなく、あたかも地層のように重なって現在の地表面を形成しているので歴史を学ぶこと=現在を知ることになるという先生方の言葉が印象的でした。ウクライナやガザへの侵攻、台湾を巡る緊張などは重なった地層=歴史を知ることが不可欠なんですね。
おしまい。