先週末のEテレで不思議な映画監督の連携を発見しましたので本日はそのご紹介です。自分は小津安二郎とは時代が少しずれている為に彼の映画を観た事はありません。著名な映画監督のようですが早くから世界的に評価された黒澤監督と比べると少し地味な印象です。
代表作の東京物語(1953年)ではお馴染みの笠智衆と原節子が出演しています。亡くなった次男の嫁の紀子(原節子)に周吉(笠智衆)は彼女の優しさに感謝を表し、早く再婚して幸せになってくれと妻の形見の時計を渡すと紀子が思わず号泣するという場面が名シーンのようです。
予告編がユーチューブにありましたのでご覧ください。なお原節子は小津監督が亡くなった1963年12月に女優業を事実上引退してそれ以降表舞台には一切姿を見せなくなりました。引退理由は諸説ありますがその真相はよく分かっていません。
さて小津安二郎映画の大ファンなのがドイツ生まれの映画監督、ヴィム・ヴェンダースです。1985年にはドキュメンタリー映画”東京画”というオマージュ作品を作り、その中では笠智衆へのインタビューや当時の東京の姿も描かれているようです。
最近彼が描いた作品”Perfect Days”の主人公(役所広司)の苗字は平山でこれは東京物語の主人公(笠智衆)の苗字と同じです。このあたりに彼の小津安二郎に対する深い敬愛の念を感じます。
この映画を見た時にハリウッド映画とは違う雰囲気を感じましたが小津安二郎を敬愛する映画監督だったとは全く知りませんでした。おしまい。