本日はニュースの備忘録です。ユーラシア大陸の東西を結ぶ貨物ルートで最近台頭しているのが中央回廊構想です。新たな回廊構想が生まれた背景には主に2つの理由がありました。(以下は日経新聞の抜粋です)
1.ロシアによるウクライナ侵略で欧州連合はロシアの鉄道に制裁を科し、米国による金融制裁も取引の障害となって北回廊経由の輸送が減った。
2.イエメンの親イラン武装組織フーシ派による紅海への攻撃が長期化し、海上ルート上のアジアや地中海にある一部の港でコンテナ船の混雑が深刻化した。
そこで中国はウズベキスタンなどと新たな鉄道敷設で合意して今年の10月にも着工する予定です。また新疆ウイグル自治区カシュガルからキルギス南部を通りウズベク東部に繋いでトルクメニスタンやトルコを経由して欧州に至る鉄路に接続する計画です。
また6月にはアゼルバイジャンやトルクメニスタンなど経由国の国営鉄道総裁が会談し、各国を結ぶ鉄道網の整備で協力することで一致しました。中央回廊のカスピ海を通るルートでは2023年の輸送量が前年比9割増の約280万トンに拡大し、世界銀行によると2030年までに1100万トンに膨らむ可能性があるようです。
ここで注目すべきは中央回廊が経由する中央アジア各国の一人当たりGDPです。石油や天然ガスなどの天然資源に恵まれたカザフスタン及びトルクメニスタンと資源の無いその他の国々とはかなりの開きがあり、この辺りの所得格差解消につながる回廊建設になればという思惑もあるようです。
と言う訳で本日は中央回廊構想のご紹介でした。おしまい。