最近の為替市場乱高下のニュースの中で必ず登場するのが”投機筋”です。言葉のニュアンスから既に悪者扱いですが(笑)表に示されている投機筋にしろ資本筋にしろ収益を上げる目的自体に違いはありません。自分も以前は投機筋の一員でしたので本日はその行動の弁明?をしたいと思います。なお本日の投稿内容についてはあくまで私見であることをご承知おき下さいませ。まず投機筋は短期の売買で利益を上げるのが目的なので小刻みの注文を繰り返し、市場の流動性を高める役割を担っています。また中央銀行の金融政策に矛盾がある場合には市場を通してその是正を迫ることもあります。

ところが政府・日銀は投機筋に狙われるような政策の矛盾(後述します)を引き起こしているという自覚が足りません。昨今の為替介入など所詮は対処療法に過ぎないんです。従って当事者は上から目線で対応すること無く、市場からの警告に真摯に向き合って抜本的な解決法を模索する必要があると思います。

東短リサーチの加藤さんは昨今の乱高下の核心部分に踏み込んでいて、正に介入は対処療法に過ぎないと断言しています。投機筋は確かに行儀は良くありませんがそれでも矛盾する政策に対しては警鐘を鳴らしているんです。

その政策矛盾とは日銀の財務省に対する忖度です。本来日銀は独立した立場から円の通貨価値を守るべきなのに財務省に忖度して金利を上げられず、投機筋は日銀の独立性が損なわれているのでは?平たく言えば財務省のポチになってませんか?と警告しているんです。ところが当事者からはまるで鬼退治(笑)をしているような発言しか聞こえてきません。

ここ10年間の政策協調により日銀の保有する国債の残高が約526兆円、株式ETFは37兆円(2023年3月末)に膨張しました。中央銀行が株式ETFを経由して(間接的ではあるにせよ)大株主となる企業が約70社も存在しています。世界広しと言えども自分はこんな中央銀行を知りません。

日銀を上空から眺めると建物がまるで漢字の円のようですね(笑)、日銀のホームページには”日本銀行は物価の安定と金融システムの安定を目的とする日本の中央銀行です”と謳っています。日銀にはあくまでも独立した立場での政策を打ってほしいと思います。

おしまい。