本日は最近の外国為替市場についての備忘録ですのでご興味の無い方はどうぞスルーしてください。さて祝日4月29日の外国為替市場ではドルの高値は160円越え、安値は155円割れと一日で5円以上の大荒れ相場となりました。円相場は日本が休・祝日中によく乱高下します。これは日本の参加者が不在の間に流動性(=売買の厚み)が減るのを見越して仕掛けるギャングども(笑)が潜在する為です。

 

外国為替市場に影響を及ぼす経済活動は多岐に亘りますが現在ではその大部分がヘッジファンドや個人のFX取引など投機筋の売買です。これら投機筋は想定以上の動きに対しては損切り取引を行いますのでどうしても振れ幅が大きくなります。さらに政府・日銀によるドル売り円買い介入がこれに拍車をかけました。なおニュースで伝えている5兆円規模の為替介入というのは日銀当座預金の減少からの推測です。

今回は当事者が介入の有無には言及しないいわゆる”覆面介入”です。ニュースでは政府・日銀による介入と表現しますが正確には財務省が指示し、日銀が実行するという流れです。自分も現役時代に中央銀行の為替介入に何回か遭遇したことはありますがその時はさすがにびっくりしました。ところでこの”覆面介入”というネーミングは”覆面パトカー”と着想が同じですね。(笑)

円安がもたらす影響をまとめると下の図になります。なお海外では通貨価値の変化をウィーク、ストロングと表現しますので円安は円弱、円高は円強とした方が実態に近いと思います。あと悩ましいのは政府・日銀の金融政策が手詰まりで有効な手段を打ち出せず、米国FRBの金融政策次第という他力本願に陥っていることです。

長期の経済低迷によるデフレ経済と円安のダブルパンチで海外からの旅行者は急増し、一方で日本人は海外へは行きづらくなりました。海外の旅行者からすると日本への旅行は今やまるで発展途上国に出かけるような感覚になっているはずです。一応日本国はG7のメンバーですが。(苦笑)

と言う訳で本日は連休中大荒れの外国為替市場のお話しでした。おしまい。