世界的に活躍した指揮者の小澤征爾が亡くなりました。新聞紙上では”世界の小澤”の文字が躍っています。自分はクラシックの分野には疎いのですが彼が世界的に評価されるのは誇りに思いますし、旧満州出身者ということも自分の母が満州からの引揚者ですのでどこか親しみを感じます。

災い転じて福となすという表現が適切か分かりませんが小澤が日本から飛び出した背景には当時の学閥優先の音楽業界があったと言われています。N響の団員が小澤の指揮の下での演奏をボイコットするという前代未聞の事件もあったようです。

自分の父親はクラシックファンで小澤征爾と同年代の岩城宏之をよく比較して話していましたが情けないことにその内容はさっぱり分かりませんでした。ただ話の中で何となく小澤がわがまま(=我の強さ)で生意気なのに対して岩城はごく普通の性格(=和を以て貴しとなす)だった記憶はあります。父は天才肌の小澤より努力型の岩城が好きだったようです。

こちらはウィキの画像ですが東京藝術大学在籍中の左が岩城宏之、右が”大きいことはいいことだ~”のCMでブレークした山本直純です。

小澤征爾のN響事件で思い出したのが画家の藤田嗣治です。彼もまた閉鎖的な当時の美術業界に馴染めず、日本を飛び出してパリで才能を開花させました。右側が藤田の自画像です。

いわゆる”世界の~”と呼ばれる人たちには共通した性格があるように思います。例えば建築家の黒川紀章も唯我独尊、どこかトンガっていて周りとは上手くやっていけないタイプですね(笑)。画像は黒川紀章と中銀カプセルタワービルですが乃木坂にある国立新美術館も彼の作品です。

我の強さを言い換えれば自分の考えに忠実なわけでそれをめげずに貫いたことで外国人アーティストと張り合えたのかもしれませんね。おしまい。