バート・バカラックの逝去から一月も経たないうちに今度はサックス奏者のウェイン・ショーターの訃報に接し、本当に残念でなりません。そこで今日はそのウェイン・ショーターを振り返ってみたいと思います。彼の最大の特徴は演奏者であると同時に作曲家でもあることです。しかもその両方で抜群の才能を開花させました。まずは1959年にアートブレイキー&ジャズメッセンジャーズに参加してバンドの黄金期を築きました。その後1964年にはサックス奏者を固定出来ずにいたマイルスに三顧の礼(笑)で迎えられ、ショーター参加後のマイルスバンドは彼が作った曲の演奏が中心となっていきます。さらに70年代に入るとフュージョンバンドのウェザー・リポートに参加、キーボードのジョー・ザヴィヌルやベースのジャコ・パストリアスと共に人気を博しました。こうしてみるとショーターはジャズの潮流の中で正に主流として活躍したことが分かります。それではさっそく代表的な曲をご紹介します。まずはアートブレイキー&ジャズメッセンジャーズ時代にショーターが作曲した”One by One"(1963年)です。
マイルスバンドでは多くの曲を提供しました。その中の一曲が”E.S.P"(1965年)です。E.S.Pとは”Extra Sensory Perception"の略で”超感覚的知覚”と訳されているようですが何のこっちゃ?って感じです。
ウェザー・リポート在籍中に大ヒットした"Bird Land"(1977年)です。この曲はキーボードのジョー・ザヴィヌルの作曲です。ベースのジャコが大暴れ(笑)していますがベーシストが前面に押し出してくるのはこの頃からですね。
晩年にはウィントン・マルサリス率いるビッグバンドでゲストとして演奏していました。曲は彼が作曲した"Yes or No"(1965年)です。さすがに往年の切れ味はありませんがバンドメンバーがショーターに敬意の眼差しを送っている様子がとても印象的です。今日久々に聞きましたがウィントンのソロはやはり素晴らしいです。
おしまい。