映画"BLUE GIANT"のサウンドトラックは基本上原ひろみの作曲ですが例外としてジョン・コルトレーン(以下コルトレーン)が作曲した曲があります。今日はそのコルトレーンのご紹介です。コルトレーンは1950年代半ばから亡くなる1967年まで活躍したサックス奏者です。マイルス・デイヴィスやセロニアス・モンクのバンドで頭角を現した後に、自身のバンドを結成して数多くの名演奏を残しました。そんなコルトレーンの代表的な曲が"Impressions”です。この曲が映画の冒頭で流れていました。

こちらがオリジナルの"Impressions”です。この曲は通常のコード進行ではなく、ドリア旋法で演奏されています。ドリア旋法では3度と7度が♭しますが6度が♮なので短調なのに長調の雰囲気も少し残っています。イングランド民謡の”グリーンスリーブス”もこのドリア旋法の曲です。

もう一曲、彼の代表作"Giant Steps"です。こちらは聞いてると何やらピカソの抽象画を見ているようですが(笑)、G-->B-->E♭と長三度の転調を目まぐるしく繰り返します。これを業界では”コルトレーン・チェンジ”と呼んでいます。

こちらは"Say It"という彼の有名なバラード曲です。"Impressions"や"Giant Steps"と同じ人間が演奏しているとはとても思えません。もう殆ど二重人格です(笑)。 以前にはサントリーリザーブのCMに使用されていました。

おしまい。