前回は源氏物語全体の感想を投稿しましたが今後は各々帖で印象深い出来事について徐々にアップしていきます。今回は第7帖:紅葉賀(もみじのが)でスーパースターの光源氏と頭中将(とうのちゅうじょう)が雅楽の”青海波(せいがいは)”を踊る場面です。当時の貴族社会では教養として和歌、舞踊、管弦などが今風に言えば”必須項目”だったようですがこの二人はいずれも優れていたようです。しかも光源氏は桐壺帝の皇子、頭中将は左大臣の嫡男ですからこれ以上ない家柄です。そんな二人が一緒に舞うとなれば宮中では相当な盛り上がりになったに違いありません。また政敵でもある右大臣側の弘微殿女御(こきでんのにょうご)ですら”こんな美しい人は神隠しに会うのでは”と悔しいけれども光源氏の美しさを認めざるをえませんでした。さてこちらは土佐光起筆の源氏物語、”紅葉賀”です。見頃を迎えた紅葉の中で舞う光源氏と頭中将の様子ですが当時はライブ配信というものはありませんので二人の舞を楽しめること自体がとても贅沢な事だったと思います。

そんな”青海波”の舞いを紹介した映像をユーチューブで発見しました。現代からすると随分とゆったりしたテンポに感じますがこれが当時のリズム感だったのでしょうね。

おしまい。

 

 

なお前回の投稿では物語全体の包括的な感想を述べておりますのでよろしければこちらもご覧ください。