今週はピアニストのエロール・ガーナーを紹介します。エロール・ガーナーはジャズのバラード曲、”ミスティー”の作曲者として有名ですが彼はピアノの演奏家でもあります。ジャズの世界では不思議なジンクスがあり、それは”名作曲家、必ずしも名演奏家ならず”(その逆も有り)というものです。プロ野球でよく語られる”名選手、必ずしも名監督ならず”にどこか似ていますね。確かに彼を含めて作曲家として有名なクインシー・ジョーンズ(トランペット)やベニー・ゴルソン(サックス)などは楽器の演奏家としてはそれほど評価されていません。しかしその分楽器の特性に縛られることなく自由なメロディラインが組み立てられるのに対し、名演奏家の場合はどうしても楽器を鳴らすテクニック重視に陥ってしまうのではないかと想像しています。さてピアニストとしての彼の演奏はとても楽しそうな上、ポマードで固めた独特のヘヤースタイル(笑)と相まってむしろエンタテイナーとして愛されたのではないかと思います。

まずは有名な”ミスティー”のライブ映像です。彼のコテコテ頭も今見るとかえって新鮮?かな。これだけカメラを意識しながら弾けるのはすごいですがこういう弾き方をしたらピアノの先生には怒られますね。(笑)

こちらはややアップテンポの”四月の思い出”という曲です。テーマを弾き始めると拍手が湧くのは愛されキャラゆえでしょうか?彼は元々左利きで譜面は読めず、しかもピアノは独学ですがそれがむしろ彼のキャラを際立たせているように思います。

おしまい。