今回からはいよいよジャンルとしては最後となるジャズに移行し、その中で印象に残るプレーヤーや曲を紹介したいと思う。最初はキャンンボール・アダレーで自分にとっては一番好きなサックスプレーヤー。キャノンボールは”チャーリー・パーカーの再来”としてデビューし、ビバップやその後のファンキージャズなどで多く名演奏を残しているが自分が特に気に入っているのは彼の演奏するボサノバだ。ゆったりとしたテンポの中で得意とする倍乗りのフレーズを目一杯詰め込んでいくところが何ともカッコイイ。勢い余って思わず字余り状態(笑)となり、小節をはみ出してしまうこともしばしば。もっともジャズの世界ではこれをディレイド・リゾルブ(=遅れて解決するの意味)と呼び、一つの奏法としているがちょっと言い訳っぽいところがこれまた面白い。今回紹介するのはボサノバの名曲”Corcovado”でおそらく彼自身もボサノバが大好きだったに違いない。なおここでピアノを弾いているのはこの後に”マシュケナダ”で大ブレークするセルジオ・メンデスだ。
もう一曲、キャノンボールの早くて切れの良いフレーズがさく裂する”Limehouse Blues”
おしまい。