曲に対する印象で大切なのは出だし(=つかみ)の部分だとよく言われる。この曲はまさにこの出だしが秀逸。ピアノの前奏とその後の歌の伴奏はこれだけで曲が出来上がっているのではないかと思わせるような雰囲気。もしこの曲をギターの弾き語りで行ったならばイメージがかなり異なってくるはずだ。とても静かな出だしで始まった後もしばらくはピアノとガーファンクルのデュオが続き、中盤でやっとベースとサイモンが参加、そして最後はオーケストラをバックに力強く終える。出だしと最後ではまるで違う曲のように仕上がっているあたりも実に見事でこうしてみると曲のアレンジというのは作曲とほとんど同じなんだと感じさせる。
おしまい。