大体母親のところに行くのは、平日は仕事帰りで夜になることが多いのです。

夕飯を用意して一緒に食べる感じ。

 

このところ気になるのが、やたら警戒心が強くなってきたことです。

玄関でピンポン鳴らしてもなかなか入れてくれない場合がある。外から大きな声で叫んでようやく開けてくれる。

 

そして、家に入った後、食事中でも10分おきぐらいに

「門の戸は締めてある?」「玄関の鍵は?」

 

何回も同じ質問をされるのは仕方ないが、どうして急に戸締りが気になるようになったのだろう?

昔は鍵を掛けなくいてもいいくらい大らかだったのに。

記憶が閉ざされてくると、不安も大きくなるのはなんとなくわかるけど。

 

 

もう一つ気になることは、偏見のような言葉が時々口に出るようになったことです。

ヘルパーさんたちのことを悪く言うような口ぶりが増えてきたのが、気になります。

もちろん本人の前では言ったりしていないでしょうが、これから先少し気が重くなります。

 

いろんな話を聞いても、お金がなくなったのは身内の誰それが取ったからだ・・・といった話が増えてくるようです。

まだ、そのようなことは起きていませんが、この間びっくりしたのが、

「小作人が・・・・」と言った会話が出てきたこと。

自分の子供時代を含めて小作人なんて言葉は出てきた記憶がありません。

 

母親の実家は大きな農家で戦前まで畑や田を人に貸していたのです、ですから地主と小作人の関係になります。戦後の農地解放でこのような関係はなくなったはずです。

 

その記憶が突然出てきて、当然そこには優越感と蔑視が含まれています。

 

健康な時はそんな素振りは全く見れなかったのに。

 

 

 

身体が利かなくなる不安、記憶がどんどんなくなっていく不安から、人の心の奥では暗い炎がちらちら燃えているようようで、少し悲しくなります。

 

そのような時は昔の楽しかった話にできるだけ振るようにしています。

昔のことは実によく覚えていて、こちらより記憶がいいくらいです。