9月28日(火)昨日の一般質問知事答弁(1) | 石田ひろし オフィシャルブログ「ひろしの日記 絆」Powered by Ameba

9月28日(火)昨日の一般質問知事答弁(1)

2010年9月定例会一般質問

石田質問

 社会民主党を代表し知事並びに教育長に質問を行います。

 先ず知事の政治姿勢についてお伺いいたします。

 初めに原子力発電所に関する地方の役割発言についてであります。知事は全国市長会会長当時に三重県発行の政策研究・情報誌「地域政策」のインタビューに答えております。その中で「財政格差と税収格差の捉え方が整理されていない。東京と地方、地域間の財政格差をどう乗り越えますか」との質問に対し、知事は「格差がなくなるということはない。どんな超大型企業であっても、各県に工場を持つことはありえない。そのような中で極端な財政格差、税収格差によって国全体が立ち行かなくなる。国家経営論としてどうなのかという話になってしまう。集積が一カ所に進みすぎれば環境問題も大きくなるし、エネルギーの高消費社会になる。将来的に国民が生活していくには、ある程度平準化した中で政治が動かないとどうしようもなくなる。(地方は)原発だって水の問題、農作物だってそれぞれ役割分担している。いびつな形にならないような地方の役割というものがある。」と答え地方の役割について原子力発電所を取り上げているのであります。

 このことは国を二分する反対運動も行われるほど重要な問題であります。

 原子力発電所の設置は、これまで各国が力を入れてきておりますが、一方で人間が制御できないものであることから原子力発電所に対する見直しが世界でも生まれてきているのであります。特に使用済み核燃料の処理が面倒で最終貯蔵を受け入れる自治体は皆無、中間貯蔵施設といわれた六ヶ所村にはたまる一方で限界ともいわれております。そのため再処理工場を建設し新たにプルトニウムを取り出そうとしているが失敗を重ね大幅に遅れているものであります。この再処理工場は原子力発電所が一年で放出する放射能を一日で放出するといわれ漁師や農家、サーファーなど東北でも大きな反対運動へと広がりつつあります。

 事業費はすでに一九兆円を超えており、使用済み核燃料は半減期が数万年といわれていることから、管理費は天文学的数字になります。これらの経費を電気料金に上乗せするならとても高くて使えるものではありません。

 したがって原子力発電所は地方の役割で片づけられるものではありません。

 私は知事の地方の役割発言の趣旨は違うのではないのかと思っております。誤解されているなら直すべきであります。以前、上小阿仁村で、使用済み核燃料再処理で生まれる高レベル放射性廃棄物の最終処分場について、誘致する動きがあった当時は、前知事や隣接の首長が素早く反対を表明し収まったことがあります。知事は地方の役割に関する発言の趣旨をどのように認識されているのかお伺いします。

佐竹知事答弁

我が国が、高度成長によって世界有数の経済力を持ちながら、個人が豊かさを実感できない原因の一端は、中央集権的な行政システムの下、画一性や公平性を過度に重視し、地域社会の持つ多様性が軽視されてきたことにあると考えております。

 地域の活力を取り戻すためには、大都市圏と地方のバランスのとれた国土形成を図っていく必要があり、地域の産業・行政や文化を支える人材を地方圏で育てていかなければなりません。

 ご指摘の私の発言も、同様の視点から、社会資本施設も国土にバランスよく整備される必要があるという趣旨で述べたものであり、特定の施設整備についての発言ではありません。

 また、原子力発電所に係る発言部分も、現実に地方が立地の役割を担いながらも、発電された電力は立地地域よりも大都市圏で利用されている現状を指したものであり、「原子力発電所を地方に立地すべき」、「地方が進んで立地を担うべき」という意味で申し上げたものではございません。

 なお私は、本県は原子力発電よりも、豊かな自然に恵まれたポテンシャルを活かして、再生可能エネルギーの供給県を目指していくべきと考えております。」

石田質問

 次に、消費税の増税についてお伺いします。

 七月二十六日の定例記者会見で消費税など税の見直しについて歓迎するようにも受け取れる発言がありました。

 私は県民の多くは、増税を望んでいないものと理解しております。

 昨年の知事選において、県内をまわり県民の多くから悲痛な叫びを聞いたものではありませんか。秋田県は、高齢化率が示すように年金で生活している方が多いのであります。否応なしに年金から税などが天引きされ、楽しみが少なくなったと嘆いている方もおります。

 このようなときに、県民の生活防衛を考えるなら減税を叫んでも、県民負担が増える増税論には加担すべきではありません。なぜなら消費税は二十二年前の導入以来、国民が納めたのは二二四兆円となっているが、同時期に大企業などの法人三税などの減税が累計で二〇八兆円となっておりその差額はわずか一六兆円なのであります。大企業を助けるために、国民からの消費税が回されたものであり、福祉や社会保障のためというのは真っ赤なウソと言わざるを得ないのであります。国際競争に勝つためには法人税四〇パーセントは高すぎるから引き下げるという話が与野党からも聞こえてきます。しかし実は、企業には優遇税制によって大まけしてもらい平均三〇パーセントも支払っていないそうであります。

 しかも、日本経団連の税制担当幹部自身が「表面税率は高いけれども、いろいろな政策税制あるいは減価償却から考えたら、実はそんなに高くない」「税率は高いけれども税率を補う部分できちんと調整されている」と認めているのであります。

 財界は法人税の実効税率を二五パーセントに引き下げるよう政府に要求していますが、日本経団連の会長企業、住友化学が払っている法人課税の負担率はわずか一六・六パーセントでした。大企業は研究開発減税で大幅な恩恵を受けるほか、海外進出を進めている多国籍企業には、外国税額控除などの優遇措置があり、四〇パーセントの税率は骨抜きにされているのであります。

 国民の多くは、消費税が導入されて医療や福祉予算が充実すると思ったことは間違いありません。しかしこの間、障害者自立支援法や後期高齢者医療制度がはじまり、国民健康保険税の掛け金は上がり、医療費の窓口負担は増える一方、介護保険も同じであります。消費税が導入されてから逆に「低福祉・高負担」となったことから、政権交代の実現につながったとも言えるものであります。

 そのようなときに再度、消費税を上げて法人税を減税するのは言語道断と言えます。

 先に菅首相も「外国と競争できるように減税したい」と述べておりましたが一体、これまでの大幅な企業減税をどのように認識しているのか見識を疑うものであります。それより地方交付税を三位一体改革前に戻してもらうことです。知事会や東北の知事が協力して権利として国に訴えていくことも考えられます。地方交付税は税収入の偏在を是正し、地方公共団体間の不均衡や過不足を調整し、均衡化を図るもので地方の権利であります。知事の消費税の増税に対する見解をお伺いいたします。

佐竹知事答弁

子育て支援・少子化対策や高齢者福祉の充実、地域経済の活性化など、地方の増大する役割に対応するためには、地方が自由に使うことのできる財源を拡充することが必要であり、その役割に見合った税財源が確保されなければなりません。

 県税の中で、地方消費税は、景気に左右されにくい安定した自主財源であり、このウェイトを高めることが地域主権を進めていく上で不可欠と考えております。

 一方、国の行政改革に進展が見られない中では、単なる消費増税は国民の理解を得られないものと考えております。」

 このため、行革の徹底を図ることはもとより、税制度の見直しに当たっては、単に国税としての消費税だけでなく、地方消費税や法人関係税を含め、税制全体のあるべき姿を見据えた抜本的な改革について、工程表を示し、できるだけ速やかにオープンな議論をする必要があるものと思っております。

 なお、地方交付税については、全国知事会などを通じて、三位一体改革前への復元を働きかけているところでありますが、現在政府においては、補助金の一括交付金化を名目に、地方財源を削減して国の財源を確保しようという動きが見られますので、今後はむしろ、そうした動きに十分注意を払っていく必要があると考えております。」

石田質問

 次に、高速道路料金の無料化と道路整備についてお伺いいたします。

 八月二十七日のマスコミ報道によると、高速道路料金無料化アンケートに知事はわからないと答えておられました。このことから知事の考えがはっきり伝わってきません。県民にとっては重要関心事であります。

 観光客を誘致するにも、物流を早く安くということからも、無料化は県経済はじめ大きな影響をもたらします。素通りする車ははじめから早く通してあげるバイパス的な考えもあります。

 国土交通省が六月から、秋田・八竜間を高速道路無料化社会実験区間としました。私も利用しておりますが、今では利用者は二倍強になっていると考えます。ETCを登載されていない車が、長く並んでいるのを見かけるようになったからです。

 事業費に大金をかけても車が走らないと費用対効果は上がりません。公の金が投入されたなら、なおさら利用していただかなければ意味がありません。したがって、無料化が進めば利用者は当然増えることになります。一挙に無料化にならずとも一定の通行量を設定しクリアするまで料金を安く設定する、さらに通行量を何段階かに設定することも可能と思います。

 しかし、それも道路がつながらなければ本来の役目を果たせないと思います。県が考えている現道を活用した高規格道路の整備も含め、県内の地方中心地から九〇分で県庁に来られるように急がなければならないことは言うまでもありません。高速道路料金の無料化及び県内九〇分体系の構築について知事の考えをお伺いいたします。

佐竹知事答弁

 「六月末から県内の秋田中央・八竜間など三区間において、高速道路無料化の社会実験が行われており、当該区間の交通量は二倍から三倍に増加しております。これにより、観光振興等による地域経済への波及効果が期待される反面、高速バス利用者数が一割から二割減少するなど、他の公共交通機関に与える影響も把握されております。

 このため、高速道路無料化等の料金施策の実施に当たっては、他の公共交通機関への影響、二酸化炭素排出量が環境に及ぼす影響など、今回の社会実験結果を総合的に検証するとともに、高速道路未整備区間の予算に与えるマイナスの影響も検討し、今後の施策に反映させる必要があります。

 一方、県内の高速道路の整備に目を向けますと、事業中の区間と、事業未着手の区間を合わせた、今後整備が必要な延長は約八五キロメートルも残っており、さらなる整備促進が必要と認識しております。

 県内における地域間交流の促進や連携を支える「県内九〇分交通体系」の早期構築には、高速道路の県内ネットワーク化が不可欠であることから、国の整備方針が不確定な状況にはあるものの、県といたしましては、事業中区間の着実な整備促進、未着手区間の早期事業化に向け、積極的に取り組んでまいります。」