80年代後半に日本をバブル経済へと誘導したのは,
大蔵官僚主導の「プラザ合意」に続く超低金利政策で,
米財務省と組んだ大蔵省が日銀に強制した.
90年代初めのバブル崩壊を深刻化させたのは大蔵省通達による不動産融資規制や地価税導入だった(註1).
97年の山一証券など一連の大手証券・銀行の破綻は大蔵官僚によるにわか市場原理主義が背景にある.
証券や銀行業界からの接待にさんざん興じていたくせに,
情勢が厳しくなると市場による淘汰(とうた)こそが正義とばかり,切り捨てた(註2).
いまなお,抜けきれない20年デフレも
消費税増税と緊縮財政が元凶だ.
財務官僚は自己にとって都合の悪い事項は削り,
嘘のつじつま合わせに励む.
それに対し,メディアや議員の多くは
安倍晋三首相に忖度して嘘をついた,と責めるのだが,
嘘つき体質のエリートが作り上げる政策については
極めて従順で肯定的である.
政策が欺瞞に満ちているなら,そっちのことこそ国家・国民の命運に関わる重大さにも関わらずである.
既定の財務省路線である増税と緊縮財政では経済が萎縮することは明白だが,先達の失敗を認めない以上,転換できない.
(産経新聞特別記者・田村秀男)
註1)当時,ラジオのインタビューで中小企業の方が
「これでは倒産企業が続出だ」と驚愕していた.
註2)三重野日銀総裁は平成の鬼平と持てはやされた.