第1713回 ドイツ空軍降下猟兵師団 鉄橋に防御陣地を構築せよ。
2022年7月4日月曜日の投稿です。
ファルゲルプ作戦 第80話
1940年5月10日午前5時45分頃から ドイツ空軍の
降下猟兵師団は、空軍の輸送機でオランダ王国のマース川にある
ムールダイク鉄橋の河川敷に夜明けと同時にパラシュート降下し、
鉄橋のオランダ軍守備隊に奇襲攻撃をかけたのです。
【 前話 第1710回の続きより。】
ムールダイク鉄橋にセットされていた、鉄橋を最悪の場合破壊して、
ドイツ軍の通行を阻止する為の爆薬や導火線は、作戦開始2時間程度
で事故無く撤去されて行ったのです。
鉄橋のオランダ王国の守備隊は、不意を突かれて、1部は応戦したのですが
多くの兵士は戦う事が出来ず、両手を挙げて捕虜になって行ったのです。
こうして、午前5時45分頃から落下傘降下が始まり、午前6時過ぎ
から奇襲攻撃が開始された、全長が1,2キロもある大きな鉄橋は、
ドイツ空軍の統制下に置かれることになったのです。
言い伝えによると、戦闘が始まって2時間後、おおよそ、午前8時
過ぎ頃の出来事だったそうです。
戦闘が終わると、1部の部隊は、捕虜となったオランダ軍守備隊の
兵士を集めて、彼等を尋問して、ムールダイク鉄橋周辺のオランダ軍
の配置などについて聞き取り調査が開始されたのです。
すると、マース川の向こうのムールダイクの町にオランダ軍守備隊
が1個中隊程度の規模で駐屯していることがわかってきたのです。
今度は、鉄橋を取り戻そうと攻撃してくるに違いないと考え、
それに備えて、防御陣地の構築が命令されたのです。
携帯式の迫撃砲分隊を後衛に、中央に機関銃分隊を置いて、前部左右には、
2名一組の歩兵部隊が配置され、塹壕陣地の構築が開始されたのです。
塹壕陣地の上には、周囲の低木の枝を切り、陣地の上を枝で覆って
塹壕の穴を上空から隠したのです。
作戦開始から、4時間後、偵察部隊が戻り、ムールダイクの町の
様子が報告されたのです。
そして、
「オランダ軍が攻めてくる前に、こちらから強襲攻撃を行う。」
と命令が発令され、鉄橋の近くのムールダイクの町に進撃する
事になって行ったのです。
【次回に続く。】