お誕生日

ホーム入居してから3回目の母の誕生日。
2021年はコロナ禍ゆえ、
面会はアクリル越しで15分のみ。

そして去年2022年は母の希望により

銀座！までフカヒレを食べに行ったけど
今年は母が外出を躊躇っていたので
叔母とお部屋で小さくお祝いをした。

本当は飲食禁止なんだけど
それも寂しいので
母の大好きなラムレーズンのアイスと
片手で食べられる鯛焼きと

お茶を買って行った。
ケーキでないのは

お皿とフォークでかちゃかちゃは
あまりにも堂々とルール破りしてる気がするから

アイスはぺろっと平らげ

「たい焼きどうする？」と聞くと

叔母が「私は遠慮しとく。」
と答えたのに対して

「私は食べるわ！」

と即答

8時間時差があるイギリスに住む
姉家族とビデオコールするために
夕方の面会時間にしたため
夕飯の時間も近いので
一尾のたい焼きを半分にして食べさせた。
レンチン出来れば良かったけれど
それは不可能なのでちょっと硬かったな

母は楽しそうに話すけど

かなり支離滅裂。

私はもう慣れているので

「あらー、でも〇〇だったんじゃない？」

とその話に同意してるように

相槌を打ちながら

別の話に展開させるように仕向けた。

それを見ながら叔母が

「私、全然意味がわからなかった」

と言うので

「いいのいいの。

最近はいつもこうなの。」

と私も分かってないことを暗に伝えた。

母がトイレに行くというので

最初はただ見守ってたんだけど

トイレに座らないうちに

（ドア開けっぱなし）

またトイレットペーパーを

くるくる丸め始めた。

このトイレットペーパーを

一心不乱に丸める母の姿は

如何にも病人という感じで

叔母は驚いたようで

「〇〇ちゃん！何してんの！」

と大声で叫んだ。

私は慌てて母の元へ行き

「トイレに座って〜。」

と出来るだけ優しい声で言いながら

母の手からそっとトイレットペーパーを離した。

母はニコニコしながら

ちゃんと私の言う通りにトイレに座る。

そのまま手伝いながら
トイレを無事済ませた。

そのうちに姉家族から

ヴィデオコールが掛かってきた。
「Happy Birthday！」の声に
小さい声ながらも
「Thank you」
と答える母
こういう時はしゃんとするんだよね。

姉の「この後はどうするの？」という質問に
「この後はね、みんなでお食事に行くの。」

とありもしない予定を告げてびっくり
きっとそういう願望はあるんだろうね。
でもいざ外出すると
身体と気持ちがついていかないのかな

途中から母の集中力が途絶え始め
それを気にする叔母や
義理の兄との英語での会話
日本語の表現がわからなかった姪への
日本語通訳などだんだんカオスになり
（私だけが、だけど）
面会時間も少し過ぎてしまったので
そこでヴィデオコール終了。

そのまま食堂へ向かうべく
母に支度をさせ、1階へ降りていく。

手をつないで廊下を歩いていると
母が「あー、楽しかった！」
と呟いた。
母はわちゃわちゃしてるのが大好き。

結果として母のその一言が聞けて
私もとても嬉しかった

その帰り

叔母と食事をして帰ったのだけれど
しばらく会っていなかった叔母には
母の衰えを大きく感じたようで
「もう外出は無理かもねえ…。」と
言っていた。

でもね、私はまだ諦めていません！

無理させるつもりはないけど
やっぱり日常と違う刺激は
母をちょっとシャキッとさせるから

そういうのも時には必要かなと思ってる。

母本人にも

まだ少し外出欲が残ってるようなので。

今度は見つけたホーム近くの

まあまあ良さそうなレストランに

連れ出したいと思います！

外出も出来ず、面会時間はたった1時間。

どう楽しませるか色々悩んだけど
結果として

母も楽しい時間を過ごせたようなので

本当に良かった！