奈良平城京跡東側の3寺を訪ねました。今日はそのうちの不退寺です。承和14(847年)、在原業平が自刻の聖観音像(重要文化財)と五大明王像(重要文化財)仏像を安置した場所を寺としたのが始まりと伝えられ、通称業平寺とも呼ばれています。

重要文化財の南門(南大門)です。鎌倉時代末期、正和6年(1317年)の建立で、切妻造・本瓦葺の四脚門です。

 


重要文化財の本堂。 南北朝時代から室町時代前期の建立と思われます。↓


↓在原業平作と伝わる重要文化財のご本尊の聖観音菩薩立像(写真左)と、奈良国立博物館に寄託されている観音菩薩立像(写真右)は、元はペアで造られたものと推察され、別の如来像両脇の脇侍であったと文化庁では推測しています。写真は2011年5月17日 読売新聞掲載のものからお借りしました。


↓鎌倉時代に創られた在原業平の父、阿保親王(平城天皇の五男で六歌仙の一人)の像です。奈良県指定有形文化財です。


↓在原業平朝臣画像で、特別公開されていました。(写真は不退寺のHPから引用させていただきました)


↓石棺。近くの平塚古墳から発掘された石棺で長さは2.7mもあります。多くの古墳では石室の石棺は失われていますが、ここに石棺があるのは珍しいです。


重要文化財の多宝塔。 鎌倉時代に建立された不退寺で最古の建物です。多宝塔は普通二層ですが、初層のみで上層と相輪を欠いてしまっています。


↓在原業平が主人公の伊勢物語第八拾八段の文章が刻まれています。


↓百人一首の在原業平の歌「ちはやぶる 神代もきかず竜田川 からくれないに水くくるとは」の歌碑です。


↓「佐保山は 終の棲家よ つく法師」の歌碑です。作者名が書かれていますが判読できませんでした。


↓多宝塔前から池ごしに山門を眺めました。正直に言って境内は手入れが悪く雑草が荒れ放題でした。


↓不退寺は花の寺としても有名です。以下3枚はちょうど咲いていた白木蓮、レンギョウ、ヒカンザクラです。