FREERIDEが修理を終えました(セル問題まとめ) | LA VIVACE -KTM FREERIDE250R-

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ラ・ビバーチェ(快活な)
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先月、1月の中頃にフリーライドを修理に預けました。

12月の半ば以降からクルマからの追込み始動をしないと
エンジンが全く掛からなくなったのですが、
年末くらいになるともはや、ウントもスントも言わず。
結果を先に言うと、セルモーターの破損が最終的な原因だったのですが。

その辺りの原因が分からず、KTMのディーラーに預けて、
無事に戻ってきたので、限定記事では少しショップとのやり取りを書きましたが、
バイクの状態を全体公開にて報告致します。
現状SNSなどで繋がっている多くの250R乗りの方の情報なども参考にし、
把握している、セルスタート問題をまとめています。

交換パーツ
2015仕様ベンディックスギヤ+クラウンギヤ 約¥18,000
(元のギヤは壊れてはいませんでしたが時間の問題でした。)
2015仕様ガスケット ¥1,100
(防水性、整備性の向上のため?にメタル製に変更されてました)
セルモーター 約¥32,000
純正バッテリーYTX4L-BS(3A)相当 約¥6,000


最終的な今回の原因はセルモーターの故障ですが、

フリーライド250Rは元々はエンデューロ2ストロークレーサーのEXCのエンジンを
モディファイしています。EXCは基本的にキックのみの始動でした。
後に利便性を考えてセルが後付けされた形になっているのですが、
要は、、セル機構自体がエンジン設計段階から考えられておらず、
色々と無理のあるセルらしいのです。

そして、、EXCでも、もちろんセルの不具合は同じなのですが、
EXCを乗られてる方は基本はレースオンリーなので使用目的も違いますし
キックもあるのでさほど問題にはなっていないようですが、
フリーライドはキックペダルがありません(笑)
そこが一番の問題でしょうか。山の中で壊れたら大変ですしね。

・1 そもそもの搭載バッテリー容量が小さすぎる。
・2 ジェネレーターの発電量が足りないらしい。
・3 セル多用(セル始動オンリー)の設計では無いためギヤの強度が弱い
・4 後付けのためケース内部の密閉性が低く内部に水が混入する。
・5 低速度の回転では何故かプラグが点火しない仕様らしくスロー回転では始動しない。

こうしてセルの不具合?が多々あるのですが、
購入、導入を検討されてる方のために、また、自分のために対策を。
対策さえしていけば、十分安心?して使っていけると思います。


・4のケース内部の密閉性の低さ。
今回の私の個体の不具合はここです。マニュアルにはケース内部の清掃をたまにはしろ。
と書かれていたのですが、さすがにこんな所はそうそう開けないだろうと、
ズボラで放置してたため、内部がサビだらけだったそうです。

ケースを開けた所ですが、黄色い丸の部分がクランクギヤです。
クランクギヤが回転すると付いている磁石をピックアップが読み取り、
回転を検知してプラグを点火させるのですが、この内部がサビていて、
磁石を読み取れないと掛かりが悪くなるそうです。


緑色の丸の部分2箇所ですが、合わさります。しかしここはゴム部分で
ここから水が侵入するようです。グリスやシリコンなど塗布して、
みなさん対策されてますが、万全な状態には出来ません。
なので定期的な清掃は必要になります。
逆に言えば、2~3回走行後などにケースを開けてメンテすればサビやグリス切れで
回転が重くなったり、信号が読み取れないと言うトラブルは未然に防げます。


・2の発電量不足。それと
・1のバッテリー容量が小さい件ですが、
毎回走行後のメンテが終わった後に充電器で補充電をすることをオススメします。

ほとんどの250R乗りの方は冷感時の重い始動がクリア出来ればあとは一日問題が無いと
言っていますが、その朝イチの一発目のセルで満充電状態であることが大前提です。
なので、このバイクに乗る方は補充電は欠かさないように。
(バッテリーはリアサスを外さないとアクセス出来ないので、みなさん、+-端子から
補充電用の配線を追加されていますが、私は画像のようにスターターリレーに来ている
+-端子から繋いで充電しています)

大容量のリチウムバッテリーに換装されている方もかなり多いのですが、
容量が多くてもバイクの充電能力が低いので過信していると充電量が減っていき、
リチウム搭載の方でもエンジンが掛からなくなった。などの例も出ております。
(根本的な対策で、パワーパーツでEXC用の強化ジェネレーターを搭載すると言う
手もあります。約\28,000ほど。しかし今度は過大な発電による発熱対策をしないと
いけないようです。
参考Youtube


・3のギヤの強度問題ですが。

こちらがベンディックス。
左が2015仕様で右が2014仕様。私が納車から付けていたギヤです。
黄色い部分の軸の部分がレーザー溶接されているのですが、この部分がが弱く、
クラック(ヒビ)が入ってしまいます。
最悪、完全に割れてしまうと空回りをしてしまい・・・エンジンが掛けれません。
上のバッテリー問題にて、対策にリチウムバッテリーを搭載されている方の多くは、
大容量の電流を流すためこの部分が耐え切れず、破損させてしまう事例が多いです。
私の場合は純正のバッテリーだったのですが、
恐らく、追込み始動を多用し過ぎたためかな・・・と思っています。

リチウム化にすることで始動性の問題を解決したかに思えるのですが、
ギヤを破損させやすくしてしまうデメリットがあるので、純正の3A容量から、
増やしても5A~7Aあたりに留めておくのがベターかと思います。
純正のままだとクレームが効く可能性も残っていますので。
4~5000円のパーツなら消耗品と割りきっても良いのですが。

最後の・5の低速度の回転では火花が飛ばない仕様ですが、これはもうCDIとか、
電装系の話になってきますので、KTMの改善に期待したいところですが、
2015モデルのギヤ比を変更し、より一瞬で高速に回せるように改善されています。
そのため、私もどうせなら、と2015ギヤを付けました。


右が2015ベンディックス。ギヤ比以外は構造や材質に変化は無さそう。
(つまりは耐久性は変わらないと思われます)


こちら右が2015クラウンギヤ。ギヤ比の変更により噛み合わさるこのギヤも換えなければ
いけません。こちらは色が全然違うので焼処理?もしくは材質?に違いがあるのかも。

一瞬で高速回転に持っていくギヤ比なので、
おのずとセルモーター、ギヤ、そして、バッテリーには負担が掛かります。
なのでKTMでは2015モデルは5A程度のリチウムバッテリーを標準搭載しています。

よく雑誌などでは良いことしか書かれておりません。
2015モデルではリチウム搭載で軽量化され、始動性が良くなった・・・と。
しかし、今回の記事をご覧になればお分かりの通り、根本的には変わっておらず、
付け焼き刃的な改善しかされていないのがよくわかります。



さて、一応、今回の記事にてセル関係の問題点・対策記事は終了したいと思います。

あとは強度的に改善されたギヤや、マッピング改善されたCDI、発電量を適切にした
ジェネレーターの搭載。など、フリーライド250Rを継続販売するのなら、
KTMに期待したいと思います。

個人的には今後の更なる対策として、軽量化と、よりメンテフリー?を求めて
5A程度のリチウムバッテリーを搭載するかもしれませんが、
基本はメンテをマメにして行けば現状維持が出来そうですし、
これからは段々と暖かくなる事から、来年への課題になりそうです。

この2ストフリーライド自体が私のモノで初期モデル。
魅力的なコンセプトなので、購入に関して興味や心配されてる方も多いですが
これが4~5年継続販売されてて問題点も洗いざらい公開されてるならいざ知らず、
なにぶん出始めのモデルだけに色々トラブルがあることは覚悟してほしいと思います。
しかし半年前、1年前に比べると多くの方のデータ共有により、かなりのネガな部分が
わかってきました。
こうして少しづつ弱点を理解していけば、国産には無いとても楽しいバイクなので、
是非一度は乗ってみてほしいと思います。

最後に今日は、、今年初乗りだと意気込んでいましたがあいにくの雨だったので、
冷感始動テストだけしました。結果は良好です。その動画を。

FREERIDE250R 冷寒始動チェック