仲間の支えで営業再開
「日本秘湯を守る会」に所属する北秋田市森吉の一軒宿「杣(そま)温泉旅館」では東日本大震災後、温泉の自噴が止まって休業に追い込まれたが、仲間や常連客らに支えられ、地下からポンプでくみ上げて営業再開にこぎ着けた。主人の杣正則さん(66)は「人に支えられて、ここまで来られた。いいかげんな商売はできない」と意欲を燃やしている。
杣温泉は、江戸時代の紀行家・菅江真澄も訪れたとされる源泉掛け流しの名湯。秘湯感漂う立地とレトロな建物が人気の宿だった。
杣さんは震災翌日の3月12日、避難した市内の長女夫婦宅から、妻の広子さん(60)と旅館に戻ってきて目を疑った。いつも、なみなみと湯で満たされている風呂おけが空になっていたからだ。毎分約80リットルの自噴が止まっていた。
1週間後、市内の仲間たちが事態を聞きつけて駆けつけ、源泉の調査を手伝った。重しをつけた約100メートルのホースを下ろすと、「ポシャン」と音が聞こえた。急いで小型ポンプを取り付けて作動させると、いつもよりぬるめの湯があふれ出た。「やった!」。喜びと安堵の声が上がった。
翌日、水道業者に調査を依頼。毎分150リットルをくみ上げても湯量は衰えず、再開への見通しが立った。お湯の温度も、30度台から以前の52~53度まで戻った。休業中で温泉に入られないにもかかわらず、素朴な宿と杣さん夫婦の人柄に魅せられた常連客ら10人が、次々と泊まりに来て励ました。
約100万円を要したが、県のポンプ設置許可を得て、5月20日、営業再開にこぎ着けた。夏山シーズンの7月、予約は平年並みに戻りつつある。
30年来の常連という北秋田市米内沢の会社経営金弥志広さん(55)は「あちこちの温泉に入るが、杣のお湯は東北で三本指に入る。営業を再開してくれて大万歳だ」と喜んでいる。
杣さんは「一時は頭の中が真っ白になった。『ここが一番好き』と言ってくれる人たちのためにも、この宿を守っていくのが自分の役目」と話している。
(2011年7月26日 読売新聞)より
そんな事があったんですね~
な~んにも知らずにアホ面で温泉に入ってましたよ・・・
次回は思慮深く入浴します!

