先日、衝撃的なニュースが飛び込んで来た。
格闘家の山本“KID”徳郁選手が亡くなった。
僕の高校時代から現在まで楽しませてくれたカリスマであり、スターであり神の子、KID。
初めて観たのは、高3。
TVでのK-1 WORLD MAX。
僕の中学から高校にかけて誕生したK-1MAX。
当時、ヘビー級選手が中心だったK-1が魔裟斗や小比類巻貴之や須藤元気を中心にミドル級(70キロ)の大会を創設。
その中に一際、異彩を放つ選手が出てきた。
タトゥーが入った体にヤンチャそうな見た目に言動はワルそのものだった。
当時のキャッチコピー
魔裟斗 “反逆のカリスマ“
小比類巻貴之 ”ミスターストイック“
須藤元気 ”トリックスター“
そして、KIDはというと、
”神の子”
カッコ良すぎる。
試合前の煽りVと言われる紹介VTRで、
『俺は神の子、格闘の神の子。』
とインタビューで言ってて、めちゃめちゃインパクトのある映像が、流れた後、
“プロレス界の小さな巨人”村浜武洋
と対戦。
村浜選手もとても良い選手であの魔裟斗選手を当時、最も苦しめた日本人ファイターだった。
試合は、K-1初挑戦ながら、
KID、改心のKO勝ち
当時、高校生だった僕は衝撃を受けた。
こんなスゲェ奴いるのかと!
野性味溢れる獰猛ファイトでさらにカリスマ性のある言動に小柄(身長163センチ)ながら超大物感。
当時、僕は身長がほぼ同じだった事にも親近感かあり、すぐファンになった。
そして、スターのオーラしかなかった。
元々は総合格闘家ながら、センス抜群の当て勘でK-1でのキャリアは浅いながら、2年後の大晦日にK-1MAX初の日本人王者でエースだった魔裟斗に対戦表明、そして、実現する。
僕は正直、まだ観たくなかった。
立ち技のK-1選手よりも寝技もある総合格闘家の方が好きだった事もあり。
K-1ルールでは、さすがのKIDも魔裟斗には敵わないと思った。
もう少し経験を積んだらいけるのになぁ~と思いながらも大晦日のTVに注目した。
カリスマ同士の対決。
試合は1RにKIDが魔裟斗からダウンを奪う。
この時、興奮してめちゃめちゃ鳥肌立ったのを覚えている。
イケル!
イケルぞ!
KID!
途中、魔裟斗のキックで偶発のローブロー(金的)がKIDを襲う。
手足が震えたというくらいのダメージだったそうです。
ブラウン管越しに悶絶したKIDの顔を覚えています。
回復の5分間休憩後、試合は再開。
ここで再開するっていうフィジカルとメンタルも凄い。
そんな影響もあり、結果は魔裟斗の判定勝利。
しかし、神の子はそこにいた。
あの魔裟斗を経験が浅いながら、追い詰めた。
何ならローブローさえ無ければ勝ってた。
そう思わせる試合だった。
そもそもKIDの適正体重は60~63キロ、魔裟斗は70キロ。
色んな不利を越えて闘うスタイルは単純にカッコ良かった。
その後もK-1に挑戦し、派手にKOで負ける時もあった。
その時のインタビューで、
『スゲェ良いのもらっちゃったよ(笑)』
とあっさり爽快に答える様はギャップがあり、とても清々しく可愛く好感度も抜群だった。
それからHERO'SというK-1が創設した、総合格闘技イベントの王者になった。
決勝戦では、須藤元気とこれまた日本人スター対決をKOで下し優勝。
どちらかと言うと別の総合格闘技イベントPRIDEが好きだった僕だけど、須藤元気とKIDは格別。
そんな二人の試合が観れて良かったと思う。
大晦日に3局で格闘技が放送される夢の時代の高校生活を終えて、熊本から大阪に行った時、大阪での興行で必ず生でKIDの試合を観ようと決めていた。
しかし、なかなかタイミングが合わず、チケットが取れず、グッズだけを買いに行った時もあった。
そして、東京に僕は拠点を変えて、まだ住み慣れて無い東京の街にソワソワと田舎者オーラを出しながら、あまり行き慣れて無いオシャレな表参道をその日は歩いていた。
ここが芸能人がよく出没する表参道かぁ~オシャレだぁ~と思いながら、
小道に入る。
子連れのスタイルの良い美女と小柄でTシャツからタトゥーが見えるイカツイながらも優しそうな、子供を抱いた男性とすれ違った。
ん?
何か見たことあるなぁ~?
振り返ると、山本“KID”徳郁だった。
テンション上がって、握手して欲しかったけど、子供を抱いてて、家族と一緒で申し訳ないと思ったので、カッケェェ~。と恍惚の目で後ろ姿を見送ったのを覚えている。
とにかく、存在感が凄かった。
ファンじゃなくてもあのオーラは皆、異彩を感じると思うくらい存在感があった。
パッと見、恐そうだけど、めちゃめちゃ優しい雰囲気も感じた。
獰猛な格闘家のオーラと家族と一緒の優しいオーラとカリスマのオーラが、KIDの存在感なんだろうなと。
近年のKIDはアメリカのメジャー総合格闘技団体UFCに移籍して、ケガもあり、なかなか日本で試合を観ることが出来なかった。
姉の山本美憂選手や甥の山本アーセン選手、ジムの後輩選手が参戦しているRIZINという日本の格闘技イベントのセコンドやメディア関連の仕事などでは、元気そうにしてたので、いつか試合を観れると思っていた。
そして、今年の8月に闘病中という事を発表。
驚いた。
でも、KIDの事だから、カリスマだから、スターだから、神の子だから、大丈夫と思いつつ、先日、入った訃報に衝撃が走った。
信じられない。
ショック過ぎる。
もうKIDはいない。
あんな選手はいない。
2000年代前半からの日本格闘技全盛時代、KIDが出てきてスターになって、その成り上がりの過程が見れた。
気持ちいいカッコイイ、熱い試合ばかり見せてくれた。
僕の憶測ですが、闘病も本当に過酷な状態で出来るだけ皆に心配させないようにするためにあのタイミングで発表したのかなと思います。
僕の10代、20代の最高で最強の伝説のカリスマ・スターです。
あの日、すれ違って、いつか仕事などで会いたいと思った人。
KIDは、RIZINに参戦している美憂選手や後輩の指導をやっていました。
現在、軽量級日本最強と言われている、堀口恭司選手や神童・那須川天心選手、矢地祐介選手にもKIDの影響は与えている。
そんなKIDの遺伝子を持った選手達の試合を楽しみにKIDの事を忘れないようにしていきたい。
書き始めて、何か色々込み上げて来て、気付いたらドキュメントタッチになってましたね(笑)
とにかく、
スゲェェカッッコイイ強いいいファイターだったんです!
僕の青春を楽しませてくれたKIDー!
大好きです!
ありがとうございました!
“神の子”
山本“KID”徳郁 選手
ご冥福をお祈りします。