1:多様体に向けての理論化(3の続き)

 

 私たちはこれから回転とスケーリング化という用語を一般的な意味として使いますが、しかし、この場合、同じ対象の操作をすることではなく、一般的に異なっている別の対象に移行することを意味しています。

 これまでは多様体の1つの点でスケールを自由に選択する問題について議論して来ました。それぞれの観測者は自分が測定しているすべての点でスケールは同じだと考えています。ところが、です。観測者が求めた新しい座標{x<i'>}が古い座標{x<i>}の関数になっているとき、新しい座標は非線形な点関数になっている場合があるのです。

 ここで、x<i'>(x<i>)を座標{x(-)<i>}の近傍における無限級数の和で表してみましょう。すると、

 

 x<i'>(x<i>)=x<i'>(x(-)<i>)+∂x<i'>/∂x<i>(x<i>-x(-)<i>)

                                    +(1/2!)∂<2>x<i'>/∂x<i><2>(x<i>-x(-)<i>)<2>+....・・・(1)

 

 この式の第一項は座標原点のずれを記述しています。第二項は与えられた点におけるスケールの値と方向の変化を、第三項は点から点にこれらが変化するさいの速さを・・・というように記述が続いています。

 新しい座標と古い座標の両方の単位系が理想的である場合、上記(1)の無限級数の式は収束し、非線形関数に対応するテイラー級数になります。この性質は実在世界の任意の微小領域に理想的なスケールが存在することによって与えられます。つまり、「観測者は基底単位の微小領域を使って小さな対象を任意に測定することが出来、これによってつねに一定の結果を得ることが出来る」わけです。

 これはまた、順々に小さくなっていくスケールによって測定された値の級数の総和が最終的に有限であることを意味しています。したがって、一方の座標の他方の座標への依存性を記述している関数は両方の測定法が理想的である場合は解析関数と言えます。。

 このようにして、実在世界の適切な像に対応して多様体の階層が決定されて行きます