「聞こえ」が不安な高齢者へ補聴器購入補助を 入沢としゆき活動ニュース2021年7月15日131号

 難聴になると、会話が聞き取りにくくなり、外出がおっくうになるという人が多くなります。難聴者にとって、「聞こえ」を助ける補聴器は社会参加の必需品です。補聴器を着けることで、聞こえやすくなり社会参加の促進にもつながります。認知症の防止にも有効と言われています。

 難聴により身体障害者手帳をお持ちの方へは補聴器費用が減額・免除されていますが、軽度・中等度難聴者は対象になりません。そこで、自治体独自の制度として軽度・中等度難聴者への補聴器購入補助制度を実施する自治体が広がっています

市長「慎重に対応」 当局「把握しておりません」

6月議会の一般質問で、入沢議員は、習志野市も軽度・中等度難聴者への補聴器購入補助制度の導入を要求。宮本市長は「慎重に対応したい」と答弁しました。“やります”という答弁ではありませんでしたが、今後の「対応」に期待したいと思います。

 2012年に補聴器助成制度を導入した千代田区は難聴の早期発見を目的として、昨年の区民検診で60歳以上の「聞こえに不安がある」と答えた人を対象に聴力検査を実施。356人が受診、約70%が軽・中等難聴、約2%が高度・重度難聴と診断されました。まずは住民の聞こえの不安を把握することが大切です。

入沢が習志野市は難聴者の実態把握をしているのか質問したところ、当局は「市では把握しておりません」と残念な答弁でした。しっかりと実態把握をしてもらいたいと思います。

 

船橋市では78件、浦安市では137件実施

近隣では、船橋市と浦安市で軽度・中等度難聴者への補聴器購入補助を実施しています。船橋市は2001年からスタート。65歳以上の所得税非課税世帯が対象。助成額は2万円が上限で、昨年度は78件、約156万円の補助。浦安市は1995年度からスタート。65歳以上が対象で所得制限はありません。助成額は3万5千円を上限として、昨年度は137件、約478万円の補助。

 

習志野市「コミュニケーションが円滑、敬遠しがちだった人との交流を再開」

補聴器をつけることで期待される効果について市当局は「コミュニケーションが円滑になり、敬遠しがちだった人との交流を再開できる」と、その効果を認めました。

 

難聴の目安

軽度難聴:聴力レベル30~50dB未満 騒がしい環境での会話の聴き取りが難しい

中等度難聴:聴力レベル50~70dB未満 補聴器を装用しないと、会話の聴き取りが難しい

高度難聴:聴力レベル70~90dB未満 高出力補聴器の装用が必要

重度難聴:聴力レベル90dB以上 補聴器からの言葉の獲得は困難

身体障害者手帳交付基準:両耳とも平均聴力レベルが70dB以上又は一側耳の平均聴力レベルが50dB以上、他側耳の平均聴力レベルが90dB以上の場合。

船橋市、浦安市の補助制度は、申請できるのは「一度だけ」ですが、補聴器を付けるために医師の診断を受ける良い機会にもなります。入沢は、習志野でも補聴器補助を実施するように「対応」を強く要求しました。