墜落地点を特定した山口 知秋さんの証言
北相木村の御座山の北に位置する白岩地区居住

「だって、家からは御座山(北斜面)、
はすぐ目の前に見え、夜なんかは山の
中で誰かが吸っているタバコの火まで
はっきり見えるんですよ。 飛行機み
たいなでっかいものが落ちて燃えてい
るのが分からない訳ない」

その直後(午後 20時07分頃)NHKの
ニュースが「日航機は長野県南佐久郡
北相木村の山中に墜落したらしい」と
報じているのを見て、これはおかしい
と思った。 山口さんは、近所に住む
従兄弟の山口 武都男氏(42)と、息子の
知裕氏を誘って、直ちに武道峠へ車を
走らせた。

山口氏の車は、約10分後には武道峠に
到着している。 そこには1台のバトカ
ーが先着していて、中には、山口氏も
顔見知りの青木 祥治巡査部長がいた。
(北相木村駐在所勤務)

パトカーは県境でぴたりと停止して
いたが、そこからでは、見晴らしは
もうひとつよくない。山口氏達は更
に約40m奥へ車を乗り入れ、そこで
息子さんが危ないからと止めるのを
振り切って、大きな岩山によじ登る。
 パッと眺望が開け、東南の方前に、
大小2機のヘリコプターと、1機のプ
ロベラ機がライトをつけて飛んでい
るのが見えた。


青山貞ー、池田こみち。日航機墜落現場視察報告拠り


このプロペラ機は、現場の第一発見
者の米軍輸送機、小さい方のヘリは、
輸送機の通報がキャ ンプ座間基地か
らかけつけた米軍へり、そして大き
いほうのヘリは、百里基地から飛来
した1機目の自衛隊パートル 救難機。



小さいほうのヘリコプターが、殆ど
垂直に近い角度でぐんぐん高度を下
げ始め「あ、現場を発見したな」と
思っていると、ヘりは幾重にも重な
った山の稜線の中に消えた。
 「着陸して救難隊員を降ろしている」
と、山口氏は思ったそうです。