元航空自衛隊メディックK氏の証言。

元メディックの実任務出動の記録

民間遭難機乗員乗客の捜
索、救助を実施せよとの任務


「朝、入間基地を離陸(06:30頃)し遭難
現場上空に到着した。 昨晩の暗黒の世界
はまるで嘘の様に雲一つなく晴れ渡り、JA
Lの文字がくっきりと見える主翼の残骸だけ
が眩しく光を放っていた」



「目に飛び込んできた光景は夥しい数の炭化
した亡骸と焼焦げて、瓦礫の山と化したジャ
ンボ機の姿であった。 この余りにも変わり
果てた光景にクルーは絶句し一瞬言葉を失っ
たが、機長から『生存者は必ずいる。 絶対
に見つけ出して救助するぞ!』と檄をとばさ
れ我に返った」

オレンジの物体の破片が映る映像


「機長判断により最初のエリアの捜索を終了
し、東側斜面のエリア捜索の為、同エリア上
部の開けた場所へ、ホバリング移動した。 
上空から見える残骸は焼焦げた形跡は全く無
く、急斜面と谷底周辺に散在し一部は茂みの
中に埋没していた。 この為上空からの捜索
では、生存者の発見は困難と判断し、救難員
2名がホイスト降下する事になった。救難員
は、山岳進出の準備を完了し機長に対して『
救難員降下準備よし!』と報告すると『了解』
の応答に間髪入れず、『スタンバイ』『スタ
ンバイ』『待て』と少し上ずったボイスに引
き続いて『ブレーク(現場離脱)』『無線モ
ニター』との連絡が入った。何かの緊急事態
が発生したのではないかと耳を研ぎ澄ませて
聞くと『間もなく、第1空挺団のレンジャー
部隊がリペリング降下を実施する。現場にい
る航空機は直ちに退去せよ』との事であった。

救難隊の任務は同部隊等に要救難事態が発生

した場合の救助(救難待機)と後方支援業務
に変更

「現場離脱をしなければならないのか疑問に
思いながら、急遽現場を離脱し約1.5マイル
南側のジャンボ機の水平尾翼が、落下してい
る付近に移動して待機態勢に入った。
ほぼ同時に南東方向から侵入して来た陸自機 
が先程、救難員2名がホスト降下しようとし
た地点へ滑り込む様にアプローチしてリペリ
ング降下を開始し、地上に降りた隊員が、東
側斜面に走る姿が見えた」


収容される生存者


「約3時間現場上空に於いて空中待機や無線
の中継を実施した後、入間基地に帰投した」

アントヌッチ氏の体験と似通ってますね。