「疑惑JAL123便墜落事故/角田四郎著」

「ほぼ南を向いて立っていた私の左手に、
北から南へ向かって、少し右に傾いた民
間航空機であった。民間機と瞬時に思っ
たのは、窓が一列に沢山見えたからである。

見て居ると、直ぐに水平飛行に戻り、ゆ
っくりと南下して行く。『あれ、一寸変
わった飛行機だなァ』と考えた事を憶えて
いるが、尾翼が有るとか無いとか、墜ち
るのでは、等とは微塵も思っていなかった。

『何処へ行くんだろう、こんな所を飛んで
・・・・・・』と思ったが、次の瞬間、『あ、横
田や厚木の米軍基地が近いんだ』と思い、
その後は米軍のチャーター機と決めつけて
見ていた。」

「大きな飛行機と言う印象も、やたら窓が
はっきり見えていたからである。高度も、
其故に低く感じたし、速度も実にゆっくり
見えていた。ただ足元の桂川のせせらぎの
せいで、全く音はなかった。その機の窓を
見ていた私は年がいもなく、「あれ位低い
と、乗っている人もこっちを見ているかも
しれないな」と思い、上げた手を機に向か
って振ってみたりした。やがて飛行機は
ふたたび右に少し傾きながら、我々が昼間
登ったばかりの倉岳山の東側を南西に向け
て山影に消えた」

大雑把ですが、空港の展望台で、ジャンボ
を観た記憶から言いますと、角田氏からの
距離は、200m位で、高さは地面から150
から300m(千フィート)位と推察します。

レーダー上では1700フィート(518m)程

低空飛行が始まってからは、稜線スレスレ
に横田基地に向かったと推察されます。

「私は又風に当たり乍ら足腰の屈伸運動や
深呼吸をした。 目の前の川向こうの山が
夕日に映えていた。其の時、飛び去ったと
思った飛行機がその山の右へひょっこり顔
を出した。今度は西に向かっている。

さっきよりは距離があって小さく見えるが、
余り上昇していないと感じた。今度は直ぐ
に次の山影に隠れて見えなくなった」

「私は『あの飛行機矢っ張り一寸可笑しい
な』とだけ感じた。それは米軍基地は東の
方角だからであった。「あの高度、速度は、
これから着陸する感じだったが」とも思い
乍、私は振り返って自分のバンガローに向
かった。歩き乍ら西の空が色づき始めてい
るのを見た。その時また飛行機が見える。
木の間に見えかくれしていたが、私はつい
「エッ」と驚きの思いで立ち止まって見つ
めた。しかし、今度はごく小さな機影で、
北に向かって夕焼けの中をどんどん小さく
なってゆく」

「あれはさっきの飛行機じゃないな」と思い、
再びバンガローへの坂道を登っていった。こ
の間、5〜6分の出来事である。例の大きな
飛行機を見ていたのは18:40〜18:41頃から
18:43〜18:44分の2〜3分の間だった」

後日、当時刻に此の空域に居た航空機が発表
になり、私が二度に渡り見た機影が、日航機
以外に有得無い事も知った。前述した北西に
ドンドン飛び去った三つ目の機影もこの発表
から全日空小松行きであると判明した。

 只、前には書か無かったが、私は此の時更
に二機の航空機を目撃して居る。不思議な事
に、此の二機に関する記述は其の発表航空機
リストには見当たら無い。 私の目撃を証言
する者も居無い。然し私は確かに、その二機
を木の間に見たのである。
(疑惑 JAL123便墜落事故 P60〜P61)

私は既に大月付近のキャンプ場で事故機目撃
の2〜3分後に、自衛隊機2機を目撃したと書
き記した。 事故機の目撃18時42分頃〜43
分頃と推定できるので、自衛隊の戦闘機2機を
見たのは45分頃になる。すると日航123便が
大月上空でループ飛行(一回転)した直後と言う
事に為る。

しかもそれは日航機と非常に近い距離
を飛行していた事になる。
(疑惑 JAL123便墜落事故 P389)