今年は、8月31日~9月1日の土日に放映が決定している日本テレビ系の『24時間テレビ』。夏休みの期間を利用し、福祉や高齢者問題の問題と向き合う機会を提供し、加えてこうした福祉事業への資金提供のため募金を募っている。

 

前回46回までの放映で集まった募金総額は、実に300億円余り。自走式車いすや入浴補助車両の贈呈など、数多くの福祉事業の支援を行ってきており、その様子は日本テレビの番組として、日曜早朝に『24時間テレビ・チャリティ委員会』監修として、放送されて来た。

 

今年47回目の放映を迎える『24時間テレビ』が、大きく揺れている。理由は、昨年秋に系列局の日本海テレビ(本社・鳥取市)で『24時間テレビ募金』として預かっていた20億円余りが、職員によって不正に引き出された事が発覚したのだ。しかも、日本テレビがこの事実について明らかにしたのは、年初だった事も災いし、日本テレビに対する批判が止まらない。

 

更に、今年の『24時間テレビ』放送実施の布告を巡って、局NO.1の水卜アナウンサーが一般番組内で、募金横領事件に関する謝罪をした上で『24時間テレビ』放映の布告をする異常な事態となった。本来こうした不祥事に関しては、日本テレビの氏家社長が、一般放送とは別に時間を取り、社内調査経過を含め視聴者に謝罪すべきであった。

 

かつてのオウム・坂本弁護士一家拉致殺人事件に関するTBSの情報漏洩を巡っては、当時のTBS社長が引責辞任し、総務省から放送時間の縮小を求められ、約1か月半深夜放送が止められる処分が下された。

 

今回の『24時間テレビ47』とは、一体『誰に向けて』『何のために』放送しようとしてるのか。貴重な浄財が引き抜かれたこと自体、大スキャンダルであり、経営陣は総退陣するべきである。企業のコンプライアンスが厳しく問われている今、『24時間テレビ募金横領事件』をスルーして、『24時間テレビ』放映を強行するなど、一人の世界志民として看過する事は絶対出来ない。

 

しかも『24時間テレビ』製作を巡り、性的虐待が繰り返された旧ジャニーズ事務所(現:スタウトプロモーション)反社会勢力との闇営業の実態を未だ隠し続ける吉本興業に主要な出演機会を与えていると言う。一体何を考えているのだろうか。

 

果たして放送する意味を失った『24時間テレビ』とは、単にエネルギーの無駄遣いと意味のないバカ騒ぎに終止してしまうのだろうか。