今週頭から、読売新聞一面に「生成AI考」と言う大型解説記事が掲載されている。いまや人間生活の隅々まで入り込んだAI(人工知能)が、人間生活や人間関係を壊しかねない危険性を孕んでいるという状況を詳しく解説した記事。圧巻は、一昨日の読売新聞一面が、いわゆる中国の「死者復活AI」の問題を取り上げ、その左側に「生成AI考」が掲載されている。

 

思うに、私は以前多くの識者票評が「AIは核兵器並みの危険性がある。にも関わらず、核兵器に関しては『核兵器禁止条約』という国際条約が立ち上がったのに、AIに関し『AI禁止条約』の必要性について、議論が起こらないのはおかしい。」という事を紹介した事がある。

 

いまやAI使用に関し、国際的ルール云々ではなく、フェイクや利己主義者たちの都合のいい様に使われ、世界市民の生存権を脅かしかねないAI使用を、禁止する国際条約の必要性について議論する段階に私は来ていると思う。

 

便利さばかりもてはやされ、人類生存の危機を招きかねないと言う点では、核兵器とAIは同等レベルである。何故世界の指導者や有識者は、そうした人類生存の危機を孕むAI問題に敢然と立ち向かおうとしないのか、甚だ疑問である。世界中で生み出されるフェイクニュースのいまや8割が、AI生成によるものだとの指摘がある。人類の歴史を、完全に書き換える危険性すら叫ばれているのに、こうした問題には目をつむり、自己の私欲を肥やすだけにAIを使用する利己主義者が、いまや世界の指導層を支配する中で、健全な使用を期待するだけ無駄である。

 

一部には「人類の進歩を止めかねない愚かな議論」と誹謗中傷する一部IT関係者も居るが科学技術同様、健全で倫理的な利用法が確立されない技術とは、「第二の核兵器誕生」をも意味する。

 

決して、人類の進歩を止めようなど悪意を持って建議する訳ではない。正しいAIの使用ルールが決められるまで、AI使用を禁止する国際的取り決めを議論されることを、期待したい。