先の東京都知事選挙で、実に160万秒余りを獲得し、第二位に食い込んだ元広島県安芸高田市長・石丸伸二氏。

 

この方広島県出身で、広島の自治体にはゆかりのある方である。出身地である安芸郡高田町の近隣である安芸高田市の市長となるのは、地政学上、何ら問題はない。その吾人が、何故今回東京都知事選へ出馬をすることとなったのか。余りに思想が、クオンタムジャンプし過ぎであると言える。

 

その石丸氏支持を巡り、組織内が分裂し事実上機能停止に陥った政治組織がある。「日本維新の会・東京」である。

 

元々は小池都知事の支持母体「都民ファーストの会」と一体の祖引きであったが、今回石丸氏の支持云々を巡って「日本維新の会・東京」が真っ二つに分かれ対立。石丸氏支持を表明して来た世田谷区議が、「日本維新の会・東京」を離党して石丸氏支持に着くなど、一部の「日本維新の会・東京」関係者が、党が小池都知事支持の意向を無視して、石丸氏支援へ行動を起こした。党と名乗っておきながら、日和見で支持者を勝手に見定め、事も有ろうに選挙に乗込むなど、如何に「日本維新の会」と言う組織に、政治的理念がないという事が透けて見える。

 

「日本維新の会」を巡っては、今年二月に維新系候補が県知事となった兵庫県で、パワハラが原因とみられる県職員の自殺が発覚。第三者委員会も、斎藤兵庫県知事の関与を認めておきながら今朝の各社報道では、副知事の辞任と言う「トカゲのしっぽ斬り」人事が発表された。斎藤知事の責任は、何処へ飛んで行ってしまったのだろう。

 

話を石丸氏へ戻すと、一昨日・昨日に掛け、新潮・文春の各WEBサイトが、石丸氏躍進の分析をした記事をそれぞれ掲載したが、その中で「クラシカルな手法が160万票余を集める」と掲載している。

 

その手法として「大衆洗脳」と言う言葉が引用された。「大衆洗脳」と言えば「ナチスドイツ」そしてその首領「アドルフ・ヒトラー」である。今から30年以上前、NHK-2(教育テレビ)でドイツZDFテレビが「ヒトラー」の「大衆洗脳」を取り上げた番組がYouTubeでアップされていたことを思い出し、両者を比較して見た。恐ろしい事に、両者の類似点は、余りに似過ぎていると言っても、過言ではなかった。

 

石丸氏は「小池都政」「野党主要候補への誹謗愁傷」を繰り返すばかりで、メディア関係者から具体的な都政の政治プランを問い正されると、その記者の人格否定をする発言をし、全く質問への回答をしなかった。これは、かつて橋下徹が大阪市長時代だった時、大阪毎日放送の記者から、橋下市政に都合の悪い数字を問い詰められた時「もっと市政を勉強をして質問しろ」と誹謗中傷し、質問に何ら答えずその場を立ち去った。石丸氏の一連の言動は、橋下徹の過去の言動に一致する。

 

「ナチスドイツ」の国政支配も同様であり、国民に都合の良い宣伝を「繰り返し」行い、為政者の広告宣伝をテレビ・ラジオ、果ては記録映画をも撮って広く風潮しまくる。そう言えば、石丸氏支持者が、一連の都知事選の石丸氏の行動を記録映画に残そうと行動を始めてるそうだが、正しく「ナチスドイツ」の政治宣伝そのものではないか。

 

公聴会や公開討論会での石丸氏の言動・行動も、かつて「ヒトラー」が大衆を前に演説した状況に類似するtwンが多いと言って良い。例えば、石丸氏が討論会資料の紙を、神経質に触るしぐさなど、有名な「ヒトラー・ニュルンベルグ党大会演説」の一幕に余りに類似している。声色の使い方、演説内の興奮の仕方など、指摘すれば数知れない類似点がある。

 

だが、都民は何も知らず石丸氏に160万余票を投じた。かつて「ヒトラー」は、

「大衆は無知である。宣伝を煽れば、自然と乗ってくる。」

と側近に語ったとされる。

 

石丸氏の政治姿勢も、そして「日本維新の会」の政治手法も、私にとっては全てお見通しだが、ことノンポリが大勢を占める今の世情に対しては「コロナワクチンなきコロナ禍の世」と言うべきか。「良質な民主主義ワクチン」なき日本の将来は、再び戦争の世紀へと誘われ死屍累々とでも言う惨状を、再び見る事になるのだろうか。