今日の東京株式市場は、イスラエルがイラン国内へ攻撃を行ったニュースが未明に入った事をきっかけに、ほぼ全面安の展開となり、昨日日経平均株価が3万8千円台に回復したと経済関係キャスターが喜々と伝えたのもつかの間、終値で、前日比▲1,011円3511銭安とほぼ暴落同然の展開となった。関係者は「中東情勢の先行きが不透明感を増し、今後の株式相場の推移が心配される。」と異口同音に話す。

 

事実、イスラエルのシリア国内イラン大使館への攻撃をきっかけに、イランによるイスラエルへの報復攻撃をへて、今度はイスラエルのイラン国内への報復攻撃となった。イランは、自国領又は在外公館に対する攻撃や介入を、特に嫌うお国柄があり、これをきっかけに「第五次中東戦争」又は「第三次世界大戦」へ突入するのではと危惧する国際関係ジャーナリストも決して少なくない。当面、株式市場が平静さを取り戻す事はないだろう。

 

一方、日本時間で昨日アメリカ・ワシントンで行われたG20(主要20ケ国財務相・中央銀行総裁会議)。日本から出席した鈴木財相・植田日銀総裁は、各国プレスから「今後円安が進めば、政策変更はあるのか?」の問いに答えた植田日銀総裁は「有り得る」と断言。

記者会見の際、「昼行燈」と揶揄された故鈴木首相を父に持ち、「経済閣僚の昼行燈」とも揶揄されている鈴木財相も同席し、プレス関係者を驚かせた。

 

しかしながら、円ドル相場は、今日の時点で一㌦=¥154円51銭まで円安が進み、国際金融関係者から「いま政府・日銀が介入しなければ、1997年のタイ通貨危機の日本版がアジア経済を破壊する大きなリスクになりかねない。」と警告が発せられている。だが、行き過ぎたインバウンド加担が足枷となり、経済当局は現在の円安を容認せざるを得ない。

 

国民を人身御供にして、労働貴族や利権主義者の命脈を守るなど、一体どこの独裁国家だと呆れてしまう。それが、今の日本の現状なのだ。資源・食糧など多くの生活インフラを、輸入に頼座らるを得ない日本では「通貨価値の防衛」「為替市場の安定化」を、経済当局は最優先しなければならないのに、介入タイミングを逃せば、資金豊富なヘッジファンドの餌食になるだけである。一説には一㌦=¥160円を狙うヘッジファンドも居るとの情報で、こちらも中東情勢同様、予断を許さない。

 

それにしても、日本という国は「弱っちいい国」になってしまったものだ。かつては「槍が降ろうが、核ミサイルが飛んで来ようが、日本円の価値に揺るぎはない。」と言われたが、僅か中東情勢やちょっと小金を稼ぎたい半グレ政権支持者に媚びた結果、日本円は今や世界の金融関係者の「おもちゃ」と化している。使い様次第では、カジノも真っ青な大儲けが出来ると言われ、その陰で国民は貧困に喘ぐ。そして、日本という国の虚弱体質化は、止まるところを知らない状況だ。

 

日本円の国債的価値を取り戻すには、今のIMF・WTO体制から脱却するのが、荒療治として最もいい。以前「これはこれ。それはそれ。」という表題のコラムを書いたが、正に今日本に求められる経済政策は、国際同調主義からの脱却・・・日本のためのいいとこどりが求められてるのではないか。