あーちゃんです

こんにちは( ¨̮ )



みなさんに帰りたい場所はありますか?



華藤えれなさん/円陣闇丸さん
サウダージ
▲お試し読みはコチラ…♡



両親の死を報せるため音信不通の兄を探しに

アルゼンチンの首都ブエノスアイレスに

やってきた刑事・志塚朔弥

タンゴバーで「踊ろう」と声をかけてきた

長身の美丈夫・レオン

彼は何やら兄の情報、そして朔弥のことを

知っているような口振り。

その男はブエノスアイレスの闇社会を束ねる

マフィア、セラーノファミリーの

アンダーボスだった…。



というお話。



ラノベです!

マフィアです!

サウダージ…「望郷」そして「手に入らない

ものを切望する」「失ったものを恋しく

思う」という意味を持つタイトルの本作。



この作品、実はドラマCDから入りました。

勘のいい方はおわかりかと思いますが…笑

浜田賢二さんが出てるからですね。



これがね…すごくよかったんですよ。

レオン役の浜田さん然り、朔弥役の

鳥海浩輔さん然り。

朔弥のお兄ちゃん役の遊佐浩二さんなども

登場しますが、ほぼほぼ浜田さんと鳥海さん

二人の掛け合いで進んでいきます。



マフィアのアンダーボス(日本のヤクザで

言うところの若頭)であるレオンは組織に

とって不利な情報を漏らしたという朔弥の

兄・幸成を処分すべく行方を追っています。

その矢先に出会った朔弥を拉致、監禁します。

そしてレオンが出した条は、

幸成を生かしておく代わりに朔弥を

ペットとして従えること。



刑事であり正義感が強くプライドも高い

朔弥は、それでも兄のために渋々条件を

呑むわけです。

犬のように首輪でつながれ嬲られる日々。



BLのヤクザもの・マフィアものといえば

弱みを握る→無理やり肉体関係をもたせる→

いつしか情が芽生えるがテンプレであり

あーちゃんの大好物♡♡♡ですが

この作品も例に漏れず。



どんなに酷い仕打ちを受けても、必ず生きて

兄を助けるんだという目標を見失わない

朔弥の強かさがすごい。

心は屈服していないということ。

だけど一緒に過ごすうちにレオンはぽつり

ぽつりと自分の話をするようになるんですね。

幼少期、母親に港に捨てられたこと。

マフィアに拾われ、同じく拾われた義弟の

ロベルトと共に育ってきたこと。



次第に心を通わせていき、そして朔弥は

気づくのです。



レオンの孤独。



レオンは何度躰を重ねてきても、たったの

一度も身につけた黒革の手袋やスーツを

脱いだことはありませんでした。

それは武装を解くことがないということ。

いつ何時でも戦える状態でなければならない

ということ。



物語中盤でレオンが朔弥に言ったセリフが

印象的でした。



──なによりも私が焦がれているのは…

安心して私を眠らせてくれる……おまえの、

この体温だ。



地位も金もすべて持っているはずのこの男が

欲しいのはそんなものなのか。

この男は自分がいなければ安心して眠ること

さえできないのか。

朔弥の中に明らかな情が芽生えていきます。



レオンもはじめは非情な行為だったのが、

だんだん口づけが甘く愛しさを帯びていく

のが文章から伝わってくるんです(∩˘ω˘∩ )



それでも朔弥は自分を見失いません。

互いの気持ちの変化に気づいていながらも、

レオンは敵であり、自分は囚われの身。

悪に生きる男を受け入れることはできない。

兄を救い出すことが全てであるという意志を

最後まで投げ出すことはありません。



そんな二人の結末はどうなるのか…

それは読んでのお楽しみです♡



すべてを読み終えて、「サウダージ」という

言葉の意味をひしひしと噛みしめました。

ああ…そういうことかと。

レオンと朔弥のサウダージ。

生まれも育ちも違う二人がある一点の想いで

リンクし強く惹かれ合う美しい物語です。



長くなってしまいましたね。

ドラマCDから入って、素敵なお話だったので

原作を読むに至ったわけですが、毎度のこと

ながら電子版で購入したところ、なんと…



挿絵がなーーーい( ;∀;)!!



円陣闇丸さんの美麗イラストが拝めない…。

なんということでしょう。

紙のほうには、レオンと朔弥がタンゴを

踊るシーンや、あんなことやこんなことを

致すシーンが描かれているのでしょうか…。



でも、華藤えれなさんの美しい文章で

その情景を充分に想像させていただきました。

ブエノスアイレスの街並みの描写が細やか

だなと思ったら、ちゃんと現地に取材に

行かれてるのですね!作家さんてすごい!



ということでこのへんで。



あーちゃんでした(∩˘ω˘∩ )♡