二重行政の何が悪い?
大阪都構想のメリットの一番は、二重行政の解消ということですが、まず、市を解体して区にした所で、府と区は二重行政ではないの?という疑問が生じます。
しかも、その区は5つもあるわけで、それぞれが自治運営を行うとなると、議会運営費や選挙費用など、二重行政×5になるので、余計に費用が掛かるのは当然ではないでしょうか。
また、二重行政と言えば、国家と都道府県や、都道府県と市町村など、どこにでもあるもので、例を出せば、国道、県道、市道と言ったように,二重行政のオンパレードです。
しかしながら、それらは一定の棲み分けがあります。
国家にとって必要な道路は国道、県にとって必要な道路は県道、市にとって必要な道路は市道と言ったように、それぞれのポジションの都合によって作られているわけですから、それが悪いとなれば、すべての道路を国道で、という話になりますし、そうなれば、地元に必要な道路など、細やかな住民サービス、インフラが作れない恐れもあります。
ちなみに橋下徹は、特別区を作ることで、民意を反映しやすくなると言いますが、もう既に大阪市には、区があり、それぞれがその地区において必要なものをボトムアップで行っています。
これは横浜市も一緒なので、これ自体に問題があるというのなら、横浜市も問題だということになります。
また、二重行政を解消しても、住民サービスの低下は無いと言っていますが、それも疑わしいものです。
二重行政を解消するということは、どちらかに統合するか、もしくは無くすか、でしょう。
ちなみに仮に図書館を統合しても、そこで働く人間や光熱費などのコストは変わりません。
あえて言えば本の仕入れが一本化できるので、多少はコストダウンに繋がるかもしれませんが、大した額にはならないでしょう。
むしろ、そこに移行するためのコスト(大阪市の試算では640億円)は莫大で、尚かつ区の運営コストまで掛かるわけですから、明らかにコストの面においても良いとは思いません。
さらに、一度やってみなければ分からない。などという意見も在るようですが、ここまでのマクロレベルで一度やってみて駄目だったら、どれほどの損害が出るでしょうか。
一度作ってしまった制度はそう簡単には元に戻せないのです。
また、特別区のシステムが機能するまでには、相当な時間と、それまでの混乱が予測されます。
その損害もまた、大阪を弱体化させる大きな要因となることは間違いないでしょう。
あくまで政策や制度は「人が動かす」のであって、機械が勝手にやってくれるものではないからです。
このように考えれば、急進的、または抜本的改革というのは、極めてリスキーであり、たかだか二重行政解消のためにやるようなものでは無い事は明白なのです。
投票は来月ですが、これままさに、大阪市民の良識が問われる事になるでしょう。