将来にツケを残さないの正体
政府の財政出動にしても、原発にしても、彼ら反対派は、決まって「将来にツケを残すな」と訴える。
しかし、この将来にツケとは、一体なんなのだろうか?その中身無くして、それを訴えた所で空疎である。
さて、今回はその中身について、財政出動に焦点を当てて考察してみよう。
まず、彼らの主張を聞く所、財政出動=借金を増やす=将来へのツケ という構図のようだ。
しかし不思議と、公共事業のような財政出動は否定しても、社会保障費のような財政出動には、皆、寛容だ。
「年々増大する社会保障費を充てるためには、消費税やむなし」なんて話はまさに、この寛容さの表れではないだろうか。
しかしよく考えてみてほしい。
社会保障費の増大こそ、世代間格差を助長させ、経済を萎縮させる政策であり、これこそが将来に大きなツケを残すことになるはずだ。
ちなみに、我が国の人口構成は、60歳以上が全体の約10分の3。
そして個人資産では、60歳以上が全体の約10分の6を保有している。
これは何を意味するのか? 現役世代に比べ、60歳以上は、資産を約2倍持っている事になる(60歳以上の負債が少ないことから、もっと差がある)
にも関わらず、110兆円以上の社会保障費のほとんどは、60歳以上に充てられている。
医療費はもちろんのこと、生活保護費の大部分、年金など、児童手当などの一部を除いて、そのほとんどの税金が、60歳以上の資産を持った人たちへと流れているわけだ。
例
※医療費38兆円のうち、60歳以上で約60%。
※生活保護費3・7兆円のうち60歳以上は約60%。生活保護費総額に対し、医療費が半分なので、実質金額では、さらにその比率が上がる。
※年金は言うまでもない。
当然、そうなれば、税金や保険料は、現役世代の所得(もしくは資産)→60歳以上の資産へと所得移転を起こし、ただでさえ資産の世代間格差が2倍もあるにも関わらず、社会保障費を増やせば増やすほど、さらにその格差は広がるということになる。
また、一番お金を必要とする現役世代は税金や保険料の負担増で可処分所得を減らされ、使いたくとも使えない状況なり、結果、経済は萎縮していく。
そうなれば、税収もGDPに連動し、減少していき、さらなる増税=世代間格差増大と悪循環に陥ることになる。
これが「将来へのツケ」でなければ、何がツケなのかわからないほど、大きなツケである。
言い換えれば、社会保障費を削って、公共事業を増やすが正解である。
それでも尚かつ、「でも借金がね~」と、言う人もまだ居るかもしれない。
しかし、以前にも書いたが、日本に財政危機というのは、今の所心配する必要性は無いと言って良い。
まず、資産の部では、政府資産647兆円、個人資産約1500兆円、大企業の内部留保だけでも、約320兆円ある。
また政府の子会社である日銀の国債残高、約230兆円と、これだけでみても、我が国の資産は莫大である。
これほど莫大な資産を保有していれば、1000兆円くらいの借金があったところで何ら不思議ではないだろう。
(しかし、これらはすぐに借金に返済できるものではない。また企業には、負債も多くあることは留意すべき)
さらに、国債の信用が!暴落が!!とそれでもいうのならば、国債は、ドル建てですか?外国人が買ってますか?と聞きたくなる。当然、国債は円建てであり、そのほとんどが国内保有である。さらに我が国は通貨発行権の自由もある。
もしも、そんなドルや外国人が好きならドルで日本国債を計算すればいい。きっとここ最近の円安でずいぶん目減りした事だろう(笑)
要するに、「将来へのツケを残すな」というのは詭弁であると断言できる。
そしてその詭弁を使う理由こそ、我が国の病魔そのものである。
これは先に述べたように、「社会保障費」という、いかにももっともらしいもの(日本人が駄目と言いづらいもの)を楯にした、60歳以上の世代による、現役世代からの搾取と、それに伴う将来の経済萎縮そのものなのだ。
民主党の主張に代表されるように、社会保障のために増税は、悪魔の政策でしかないことがお分かりいただけただろうか。
また小沢のような、「社会保障を充実させて、将来の不安を取り除くことで、経済成長出来る」というのも、全くの嘘であることがわかるだろう。
世代間格差助長は先に述べた通りだが、そもそも若者は、その使うお金がないのだがら。
そして、保守と呼ばれる自民党でさえも、その悪魔に取り憑かれていることは、先の増税で嫌というほど分かったはずだ。(公共事業を多少増やしているが)
結論としては、借金ガー!と現役時代に直接再分配できるような公共事業を批判し、一方で社会保障費という大義名分をかざして、若者から60歳以上が搾取する、これが、「将来にツケを残さない」の正体なのだ。
ps デフレもまた、世代間格差の助長をするということを付け足したい。