トリクルダウンというお化け。
トリクルダウンとは「富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が滴り落ちる」とする経済理論だ。
安倍政権はどうやらこのトリクルダウンを本気で信じているのか、株価上昇に躍起のように見える。
例えばこのニュース。
「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、投資配分を定める資産構成割合(基本ポートフォリオ)を見直し、国内株式を現在から倍増の25%に引き上げる方針を固めた」
言い換えれば、私たちの年金積立金でリスク商品である株式の購入を大幅に増やすということだ。
当然、これにより株価は上昇する。また、それと並行して黒田日銀総裁がこの度さらなる追加緩和を発表した。
追加緩和は当然、マネタリーベースの増加を意味し、貨幣価値を押し下げ、円安誘導するという側面があるが、輸出が伸びやすくなり、また金あまりが起きるのでその金が株式投資に回るという、これもまた株価上昇政策とも言える。
この二つの株価上昇政策の結果、日経225は高値更新らしいが、実体経済は増税後、悪化の一途を辿っているのが実情だ。
トリクルダウンというのは、富める者=資産価値の上昇によって、その余剰分が消費や投資に回り、それが回り回って実体経済を潤すという理論らしいが、経済素人である私から見ても、その机上の空論的理想理論は、理解に苦しまざるを得ない。
まず、このような政策を先に行ってきたアメリカを例に出せば分かりやすいだろう。
ご存知の通り、アメリカのダウ平均株価は上昇の一途を辿り、最高値を更新し続けている。しかしながらアメリカの経済全体が潤っていることはなく、むしろ貧富の格差がより広がっている。
ではなぜこのようになトリクルダウンが起きないのか?
まず問題点としては、株価上昇は、あくまでストックが増えただけでフローが増えていないという点である。
言うならば、資産が上昇しただけで生産性が上昇したわけではないのである。故に、GDPを引き上げる力は少なく、むしろ貧富の差を拡大させるという弊害の方が大きい。
さらに、デフレ下において、投資先もないような状況で、元々お金に困っていない層が、さらにお金を得た所で、それを消費に向かわせる可能性は低いと言わざるをえない。
その証拠に、短期国債の利回りがマイナス金利になるという異常事態さえ生まれているのだ(投資先がなく、金利を支払ってでも国債を買いたいという銀行が多くあるということ)
そんな状況の中で、資本家達が、株価で得た資産余剰分を、あえて儲かる可能性の低い、またハイリスク、ローリターンになりかねない経済状況の中で、消費や投資を行うだろうか?
まあ、この当たり前のことがアメリカでも起きたと考えれば、アメリカよりもデフレが深刻かつ消費増税された日本であれば、より顕著にそれが現れることは容易に想像が付くだろう。
これを回避するには、軍事産業や国土強靭化計画など、実体経済に直接お金が回るような財政出動を行うべきであり、金融緩和に依存しすぎるべきではない。
金融緩和は先に述べたように、株価上昇には一役買うが、実体経済にとっては、エネルギーコストの上昇(原発が止まっているので余計に)や輸入食品、雑貨などの上昇があり、可処分所得の減少が起きる。
またそこに増税や保険料値上げが加わると、実質賃金を押し下げるので、より可処分所得は減る。そうなれば消費を控えるというマインドに国民が陥るのは必然だろう。
このように、株価だけを上昇させ、その恩恵を得る事が出来ない国民は、ひたすら貧困化していくという、まさに貧富拡大政策こそ、今現在、安倍黒田が行っている愚策であり、国民は本気で怒るべきであると私は思うのである。
健全な民主主義とはなにか、前回のブログでも述べたが、民の幸福を追求するために民に権利が与えられているのだとすれば、いかにもこれが反民主的かということがわかるだろう。
打倒安倍政権、打倒グローバリズムこそ、私たちの民主主義であると私は感じるのだが、みなさんはいかがだろうか?