リスクの二面性
物事には必ず、選択したリスクと選択しなかったリスクという二面性があります。
しかしながらほとんどの方々はそれを両面から見ずに、片側だけのリスクを語りがちです。
たとえば原発問題ですが、原発を稼働させるリスクと稼働させないリスクがありますし、集団的自衛権に関しても同様の両面的なリスクがあるわけです。
また福島産の農作物を食べるリスクと食べないリスクというのもあるでしょう。
それは放射能を怖がって食べないか、それとも福島で生産する方々の生活を壊すのか、そういう選択でもあるわけです。
社会科学者の中野剛志氏がこんなことを言っていました。
「リスクを正しく理解出来ない日本人こそ、最大のリスクである」
と。
なるほどと思わず頷かざるを得ないほど、日本人はリスクということを正しく理解していないように思える言動があまりにも多いように思えてなりません。
そして、そこには結局、想像力の欠如というのが根底にあるのです。
オルテガが大衆人(バカ)とは、傲慢性と自己閉鎖性を持った自己中心的な人間のことであると言いましたが、まさにそれらは矮小な想像力と視野の持ち主であり、中野氏の言う、リスクを正しく理解できない日本人ということになるのでしょう。
またドイツの哲学者ショーペン・ハウエルは、真実は彼岸側から見ずして見る事はできない、と言ったことも言っています。
これもまた、その事象を逆側からの視点を持って判断しなければ、ちゃんとした判断はできない、と言っているわけです。
果たして私たち日本人は、今後、彼岸側から見る視野を持つ事が出来るのでしょうか?
いや、持たなければ、それこそ、中野氏の言う、最大のリスクが私たち日本人になってしまうかもしれませんね。