トリクルダウンは本当に起きるの? | ひより

トリクルダウンは本当に起きるの?



維新の橋下氏やみんなの党の主張する競争社会(新自由主義、新古典派経済)信者達は、




一様に、「競争に勝って、所得を稼いだ者は、敗者である低所得者に再分配をすればいい」



といった話をして、新自由主義を正当化しますが、果たして本当にそのような状況においての、再分配など可能なのでしょうか。




再分配には主に、強制的再分配(税の徴収)と、自然的再分配(トリクルダウン)があります。



新自由主義による競争社会において、勝ち組は当然一部の人間に限られます。アメリカでもデモが起きたように、1%に富が集中し、99%は搾取される側に回るわけです。




このような歪な格差において、強制的再分配を行うには高所得者への増税が必至です。(累進課税強化や資産課税強化など)


しかし、当然、努力し、競争に勝ってきた高所得者がそう簡単に強制的再分配を認めるとは思えません。



高税収のフランスから低税収のロシアに高所得者が流失したように、資産や人が海外に流出することは当然考えられることです(キャピタルフライト)



このように、高所得者がキャピタルフライトした後に残るのは、99%の低中所得者のみです。



そうなった場合、強制的再分配は事実上、機能しません。


また、強制的ではなく、自然的再分配(トリクルダウン)の場合はどうでしょうか。



確かに、高所得者は、消費額が大きいのも事実です。その消費により乗数効果で、低所得者にお金が回るというのも理論上は可能です。



しかし、それはあくまで机上の論理であって、実際は、一部分の人に集中し、また貯蓄に回され、



低所得者に回るまでには、相当額、減額されるはずです(ゼロにはならないでしょうが)


もちろん、累進課税強化や、トリクルダウンを完全否定するわけではありません。



当然ながら、現状においても少なからずそういった政策に効果があるのは事実であり、その恩恵をみなさんも少なからず受けているわけです。




ですが、競争が激化し、再分配する側とされる側の比率が過剰に開けば、それらの効果は薄れます(高所得者が減り、再分配される側が増えるので)




その結果、高所得者のトリクルダウンで賄えない負担が、増税という形で中所得者へのしかかり、結果、中所得者も可処分所得で低所得者水準に落ち込み、国民総低所得国家になりかねません。



実際に、どこの国が高所得者が低所得者にスムーズに分配出来ているでしょうか?



ユーロを見てもギリシャを見捨て、アメリカも低所得者を見捨て、地方交付金のあるこの国でさえも、夕張のような市を生み出しました。



この事実こそが、橋下維新やみんなの党が掲げる、地方分権、規制緩和や競争といったいわゆる新自由主義の現実ではないかと思います。





理想論と言われればそれまでですが、私は、国民総中産階級こそが、社会保障、再分配が最もうまくいく所得構成ではないかと思うのです。



それには、政府の役割がとても大事です。



規制緩和ではなく、むしろ規制強化。



無駄削減ではなく、財政出動。




これら政府の政策により、バランスを取っていくことが必要不可欠です。



そして、現在、安倍政権は、国土強靭化計画により、大規模な財政出動を行おうとしています。



これには現状では文句の付けどころがありません。



しかしながら、三本の矢の一つ、成長戦略において、一丁目一番地は規制緩和であると安倍総理はおっしゃりました。



ここには正直、疑問があります。



もちろん、規制緩和をしなければならない分野もあり、それによって成長が望めるものがあるのも事実です。


しかし、「規制緩和=成長」というイメージが一人歩きし、それによる過度な規制緩和は、この国には不利益になります。




その見極めがしっかりできるのか、今後の政権運営を注視していきたいと思います。