冬、雪を見ると思い出す。

「あたしはあたしのことが好きじゃない人が好きだよ。」と言われ、その通り手も足も出せなくなった。


学生時代の記憶がぼた雪のように降り止まない。

見ている分には綺麗で、地面で溶けてしまえばもうそうとは言えなくて、だから僕は君の表面的な美しさしか知らなかった。


優しさと臆病は決して矛盾しない。


陽射しで溶けちゃう臆病なんて、本当に溶けて無くなったらいいのに。

……僕にやさしさはあるかな。

償ったって変わらない人生なのに。


非常階段から眺める、遠い団地の灯りがやけに眩しい。

見とれる資格ぐらいはあるさ、きっと。

今日だけは、いいかな。

自分を許してみてもいいかな。


「自分を許してばかりいると、自分が許されていることに気がつけなくなるよ。」なんて言葉が脳裏をよぎった。



降り止まぬぼた雪

理性を纏った獣

おれは!叫ぶ

地面が雪が

蹴り飛ぶ

それ、


一面の純白だった。


少し汚れたくらいじゃ変わらない。


白白白白白白白白白白白白白白白白白


僕は初めてきみの言っていたことがわかった気がする。


魔法と呪いの違いは、解けるか解けないからしい。