実は朝から健康診断だった。

 

 

朝から水以外は口にせず、

お世話になる医院へ。

こちらで健康診断を受けるのは4回目。

 

ここはこぢんまりした医院で、

健康診断は1日1人しか受け付けていない。

健康診断の初めから終わりまで

同じ看護師さんが担当してくれる。

 

検尿→身長・体重・腹囲→レントゲン

→心電図→聴力・視力→問診→血液検査

 

この流れだった。

 

 

 

ハプニング1:

問診の後、

その部屋にアコーディオンカーテンがあり、

そこを開けたら

血液採取をされている方と

採取している看護師さんがいた。

 

しまった!間違えた!

「すみません!」と言ってすぐ閉めた。

 

出口はアコーディオンカーテンではなく扉で、

その左にあったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

自分の血液採取の前に

少し待合にいる時間があったのだが、

先ほど血液採取をしていた方

(自分より20歳くらい年上の女性)

が出てこられた。

 

これは謝っておかないと、と思い

「先ほどは開けてしまってすみませんでした」

と言うと、笑いながら

「全然ええよ。開けて開けて。」

と言ってくれた。

 

よかった。。。。

 

 

 

 

さて、気を取り直して自分の採血の番。

名前を呼ばれて、該当の部屋に入る。

昔から血管が浮き出にくいらしく、

どちらの腕から採血するかいつも看護師さんが悩む。

 

今回は左腕だ。

(確率的には左が多め。右の時もあるが3:1くらい)

 

何歳になっても注射はこわい。

たいていの場合、右斜め前の方向に顔を向け

その方向にある何かを見るようにしている。

(今回は医学書などが入った棚だった。

うすい青色をしている)

 

上腕を縛られ、

さあ今まさに針をさすぞ!という時。

 

「◯◯さん(看護師さんの名前)、

□□さん(わたしが採血をみてしまった患者さん)が

書類返してもらってないって言うてはるよ」

という声(受け付けの方)が聞こえて

扉(アコーディオンカーテンじゃないほう)が開いた。

 

 

受け付けの方が入ってきたのだ。

「書類、、、(!)」

 

 

 

 

あと1cmで針がささる、という絶妙なタイミング。

マンガの1コマみたいに。

 

 

 

 

この状態を見た瞬間、入ってきた受付の方は

「あ!」という顔で、

「ごめんねー!」と顔の前で手を合わせた。

 

 

「構わないですよ」と言うと、

看護師さんも「すみません、ちょっと待ってね」

といって部屋を出て行った。

 

 

 

 

 

隣からやりとりが聞こえる。(抜粋)

看「えー?返してなかったかなあ。

  ちょっとカバンの中見てみる?

  このファイル見てみよか」

患「ここはなあ、もう見たと思うんやけど。。。」

看「ちょっと見てみるねえ。

  あ。これちがう?」

患「あー。あったわあ」

 

 

理解したこと:

患者さんが採血してもらった前だか後だかに

看護師さんに何かしらの書類を複数見せ

(会話の中では「束」と表現されていた)

その書類を返してもらっていない、と主張。

看護師さんは(確信をもって)「返したけどねえ。。」

と言いながら鞄の中のファイルを見せてもらったところ、

書類はあった。

(看護師さんと受付の方の口ぶりから

こういうことは1度ではなさそうである)

 

 

 

 

 

 

看護師さんが小走りで戻ってくる。

「もう、本当にごめんなさいねー!!」

 

次に受け付けの女性が入ってきた。

「ほんっっっっっとにごめんね!!

今刺すよ、って時やったよね、ごめんねっ!!」

 

 

 

 

お二人のいい人ぶりと、

さっき採血前にどきどきしていたこともあり、

緊張と緩和で

なんか大笑いしてしまった。

お二人もつられて笑って、

結局三人で大爆笑することになった。

 

 

もちろん、

その後無事採血は終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

こういう時

(いろんなタイミングが重なって、

友達や知り合いでもないのに

一緒に笑ったり感情を共有できたりする時)、

本当に不思議な気持ちになる。

 

きっと

この人たち(今日の場合はもちろん患者さんも)、

この場所、この時間、この状況

でないと起こり得なかった小さな事件。

 

お互い何も言わないし目配せすらしないけれど

相手がどう思っているかわかったこと。

 

 

偶然に偶然が重なって起こる、奇跡。

 

 

こんなことある?

でも、あったんだよ。

 

 

 

 

 

つくづく人間でよかったと思う。