江國香織さんの本が好きだ。

もっとも、女性で江國さんの本に

共感しない人がいるのだろうか。

 

 

表題の本は、

もう何回読んだかわからない。

大学生の時に買って以来、

思い立っては読み返す。

昨日と今日で、また読んだ。

 

 

なぜ何回も読み返してしまうのか。

 

 

この小説にはたくさんの人物が出てきて、

それぞれの立場で語られる。

それが交差し、物語がすすんでいく。

 

江國さんの本は

その形式をとっているものが多く、

私が江國さんを好きである理由の

1つでもあるのだが、

それはつまり、

読むタイミングしだいで

どの人物に共感するかが

まったく変わってくるということだ。

 

草子に共感した頃もあれば、

桜子に共感したときもあり、

それが近藤になることもあった。

 

ちなみに今回は、エミ子だった。そして衿。

今まであまり意識してこなかった人物たちなので、

我ながら驚く。

 

また、その二人は

わりと対照的な人物として

描かれている感じがするので、

それにも驚く。

よりによってその二人とは。

 

いずれにせよ、

同じ本を読んでも違う気持ちに

なるということは、

気づかないうちに自分も

変化しているということなのだろう。

 

それがいいのか悪いのかは別として。

 

そして、それを確認するためにも、

私はまた本を読み返すだろう。