あなたはいままで、お金とどうつき合ってきましたか? あなたにとって、お金とはどのような存在でしょうか? 20代、30代のときはあまりお金について考えていなかった人も、40代になると自分がどれだけ稼げるのかが分かってきていると思います。お金をどれだけ上手に管理できるかで、後半の人生の明暗が決まるのです。
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●お金とのつき合い方は3種類しかない
あなたはいままで、お金とどうつき合ってきましたか? あなたにとって、お金とはどのような存在でしょうか? 20代、30代のときはあまりお金について考えていなかった人も、40代になると自分がどれだけ稼げるのかが分かってきていると思います。さきほど、「健康と時間はある程度お金で買える」というお話をしましたが、お金をどれだけ上手に管理できるかで、後半の人生が明るくなるか暗くなるかが決まるでしょう。
もしも40代でお金をうまく扱えていなければ、50代以降の人生はお金のストレスを抱えることになります。なぜならお金に振り回されることが多くなるからです。
お金とのつき合い方は次の3種類しかないと私は思っています。
1. お金の奴隷になる
2. お金の主人になる
3. お金の友人になる
40代になってもお金をうまく扱えていない人は「お金の奴隷」になってしまっていることに気づいていません。「収入が少ない」「欲しいものが買えない」「将来が不安」という不満を抱えたまま、生きていかざるを得ません。そしてお金のために仕事にしがみつき、パートナーや家族にもストレスを感じていることでしょう。「お金がないこと」自体は不幸ではありません。でも、お金がないことで夢をあきらめているとしたら、それは大きな問題です。
一方お金を稼ぎ、ひたすら増やすことに人生を注いできた人は「お金の主人」になっています。そういう人は、お金を稼いで資産を築くことが得意です。でも、そのために「自分は偉い」と勘違いしがちです。お金さえあれば何でもできると考えていますが、いくらお金があっても、尊敬や人間的な触れ合い、愛情を買うことはできません。
40代以降で実現したいのは「お金の友人になる」ことです。お金を稼ぐことも使うことも楽しんでできている人は、お金と友人になれます。お金を自分のやりたいことを応援してくれる親友のように思っていて、自然とお金との健康的なつき合いができています。お金と健康的につき合うのに、大金は必要ありません。お金でできること、できないことを理解し、自分が欲しいものの優先順位を決めておく感性が必要になってきます。欲しいものの中には、お金で買えるものもあれば自分が努力しないと手に入らないものもあるでしょう。そうしてお金とうまくつき合うことができたら、50代、60代も、幸せなお金とのつき合い方ができるようになります。
●収入と支出、資産と負債について学ぶ
お金と健康的なつき合いができるようになるには、お金の本質である収入と支出、そして資産と負債について学んでおくことが大切です。「収入と支出」でいうと、収入の範囲内で生活できるかどうか、また収入を必要に応じて上げることができるかどうかです。それが、お金に振り回されない生き方につながっていきます。
経済が右肩上がりのときには、何もしなくても自然に収入は上がっていきましたが、いまがそうでないのはご存じのとおりです。収入よりも支出が上回っていたら、そのうち生活が破たんするのは目に見えています。
「資産と負債」についても、知っておきましょう。「資産」とはあなたにお金をもたらすもの、「負債」はあなたからお金を奪うものということを分かっておく必要があります。住宅を購入するときにローンを組む人は多いと思いますが、それが必ずしも資産になるとは限りません。ローンの組み方や購入する物件によっては、それが負債になる可能性もあります。むしろいまの日本の状況では、負債になる可能性のほうが高いといえるかもしれません。
ローンや投資などの大事なことを40代で間違えると、老後は厳しくなっていきます。いまの50代の人たちはバブル崩壊の影響をまともに受けているので、80代の両親から仕送りを受けている人もいるぐらい大変です。せっかく手に入れた家やマンションをローンが払えなくなって手放すという人も少なくありません。40代で上手に資産をつくって負債を減らすことができたら、老後はよりストレスがなくなり自分の楽しいことにフォーカスできるようになります。
●お金に支配されない生き方
多くの人がお金に支配されて嫌いなことをやっている現代で、お金に支配されずに自由に生きるにはどうしたらいいでしょうか? 私は『お金と人生の真実』(サンマーク出版刊)の中で、「お金に振り回されないための3つの生き方」として次の方法を挙げました。
1. 十分な資産をもち、収入を持つこと
2. お金と感情的に上手につき合い、質素に暮らす
3. 資本主義から離脱して、自給自足の生活をめざす
「十分な資産をもち、収入を持つこと」は、ある意味で「それができれば苦労はしない」というものかもしれません。この生き方を選択するにはお金のこと、ビジネスのこと、人間のことを学ぶ必要があります。自分の経済的資産と人間的資産を見極めて、それをうまく運用していくことです。
「お金と感情的に上手につき合い、質素に暮らす」というのは、持ち物や車や家、旅行などに目を奪われるのではなく、身の丈に合った生活を心がけるということです。ワクワクしたりドキドキしたりということがない代わりに、心の平安を得ることができます。いまの右肩下がりの時代には、幸せに生きる知恵ともいえるかもしれません。
「資本主義から離脱して自給自足の生活をめざす」というのは、現金をほとんど使わずに生活していくことです。大変なこともあるでしょうが、都会では味わえなかった新鮮な食べ物が手に入り、人間的な触れ合いを感じられる。これも1つの新しい生き方ではないでしょうか。
3つのどれにも一長一短があるように私は思いますが、その人の人生観や生き方のセンスによって選択するのがいいでしょう。
●お金の流れを大きくするには?
どれだけ稼げるかはセルフイメージが決めているということを、『お金と人生の真実』で書きました。年収300万円の人と3000万円の人との違いは、そのセルフイメージに関係があります。自分にふさわしいのはこれだというものの総合が、セルフイメージです。
セルフイメージが「年収3000万円」の人は、たとえ失敗して1度はそれを手放すことになっても、またしばらくするとその報酬に戻ります。一方、自分には年収300万円がふさわしいと思っている人の収入は、何を失敗したというわけでもないのにアップしていきません。それがセルフイメージだとすれば、アップするわけがないのです。
自分のイメージを変えていかなければ、状況を変えることはできません。「自分は年収300万円がふさわしい」と思ったことは1度もないと反論したい人もいるでしょう。けれども、願望とセルフイメージは違います。「年収1000万円の人になりたい」といっても、心の奥底で「どうせ自分には無理だ」と思ってしまったら、その思っていることがあなたのセルフイメージになります。
お金は、私たちの生活にとても役立つツールです。人生の後半にはお金を多く持っていたほうが、何かと生きやすいということは否定できません。稼ぐ力を大きくして上手に使うこと。それが40代の課題です。稼ぐ力を大きくするには、セルフイメージを上げてお金の流れを大きくすることです。自分を過小評価しないでください。
●複数の収入を持つ
40代で意識したいのは、複数の収入源を持つということです。あなたが会社員でも主婦でも自営業でも、たいていは収入源は1つだと思います。豊かな人は、たいてい複数の収入源をもっています。事業収入や家賃収入、投資からの配当などです。事業でマイナスになったとしても、投資や不動産の収入があるとなんとかそれでカバーできます。
あなたが会社勤めだったとして、いちばん恐れることはいまの収入源を失うことではないでしょうか? もしサイドビジネスや不動産などの収入が同じだけあれば、まったく気分が違うかもしれません。いまはそれをやりやすい時代でもあります。
『30代にしておきたい17のこと』では「保険」をかけておくことの大切さについて触れています。「保険をかける」といっても、生命保険に入っておくということではありません。これからの時代は大企業に勤めていても、倒産したりリストラされたりということがあり得ます。いまの給料が上がっていく保証もありません。「先が読めない時代のため、いざというときに本業とは別に稼げる手段を持つことも必要です」ということを書きました。
40代では、それはもっと切実で大切なことです。30代であれば、転職することもまだ可能でしょう。でも40代で、いまの仕事を失うことになったらどうでしょうか? たとえ失うようなことにならなかったとしても、収入源を複数持つことで、精神的にも経済的にも余裕ができ、お金に振り回されない人生を送ることができるようになります。
[本田健,Business Media 誠]
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