「片倉城跡公園」の『カタクリの花』は今を盛りとばかりに咲き誇っています。午後になると開いていた花が閉じ始めるので、「紅紫色(べにむらさきいろ)のカタクリの花」を見るには午前中がいいです。「片倉城跡公園」は「湯殿川」と「兵衛川」それに「国道16号」に三方が囲まれています。ちなみに「カタクリの花」は住吉神社の参道途中の右側の最初の細道を「奥の沢」に向かって進んで行くと右の斜面にたくさん見られます。左側の石垣の上にも「カタクリの花」はあります。「カタクリ」の花の他に「ミスミソウ(三角草=雪割草)」の白と紫の花が楽しめます。(「三角草」というのは、葉が常緑で三角形に近く、三つに分かれているところからきています。)
ミスミソウの白い花と三角形の葉(2024年3月19日)
ミスミソウの紫色の花(2024年3月19日)

カタクリの花①(2024年3月19日)(閉じた花)
カタクリの花②(2024年3月19日)(開き始め)
カタクリの花③(2024年3月19日11時48分)(開花)
2023年3月19日、片倉城跡公園のカタクリの花①
2023年3月19日、片倉城跡公園のカタクリの花②
2023年3月21日(17時38分)、花を閉じたカタクリ   
《カタクリ》
「カタクリ(片栗)」は、北海道や本州の山林内に生えるユリ科カタクリ属の多年草。別名「カタコ(片子)」。古語では「堅香子(かたかご)」と呼ばれていた。 山地の林内に群生し、1〜2枚つく葉にはまだら模様がある。春先に15cm内外の狭卵形(きょうらんけい)で、上面に紫褐色(しかっしょく)の雲紋(うんもん)のある2個の葉をつけた花茎(はなくき)を出し、茎の先にユリに似た径5センチ内外の紅紫色(べにむらさきいろ)の釣鐘(つりがね)状の花が下向きに一つ咲く。六弁の花を開いて、そり返る。カタクリの花は独特で美しく、古くから「春の花」として親しまれてきた。独特で見栄えする紅紫(べにむらさき)の花を咲かせたあと、地上部は枯れる。種子で繁殖するが、発芽から開花まで8〜9年ほどかかる。若葉を和(あ)え物やお浸(ひた)しにして食べる。また、地下の円柱状の鱗茎(りんけい)からは良質の澱粉(でんぷん)である片栗粉が採れる。
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《カタクリの花言葉》
『初恋』『寂しさに耐える』
『初恋』という花言葉は、「頭を垂れるように下向きに一つだけ下向きに花を咲かせる姿が、恥じらって自分の気持ちをうまく伝えられない恋心を抱く乙女を想像させること」に由来している。また、『寂しさに耐える』も同様に、「頭を垂れるように下向きに一つだけ下向きに咲く花の姿が、耐え忍んでいるように見えること」にちなんでいる。
………………………………………………:…………………………………………《カ《カタクリの花を詠んだ和歌》
堅香子草(かたかご)の花を攀(よ)ぢ折(を)る歌一首
「もののふの 八十(やそ)娘子(をとめ)らが 汲(く)みまがふ 寺井(てらゐ)の上(うへ)の 堅香子(かたかご)の花」
大伴家持(おおとものやかもち)(万葉集 巻19・4143)
「カタクリの花を折って取る時の歌一首
※『堅香子草』はカタクリの古名、花の形が籠(かご)に似ているところから名付けられた。
[読み方:もののふの やそおとめらが  くみまごう てらいのうえの かたかごのはな]
[鑑賞:早春の朝、たくさん群れている少女たちが、お寺の境内の井戸で入り乱れて賑(にぎ)やかに水を汲み合っている。そんな井戸のほとりに、ひっそりと咲いている可憐(かれん)なかたくりの花よ。娘子たちの姿と清楚可憐な花とが互いに引き立て合って新鮮だ。]
※『万葉集』に一例しか見えない語を「孤語(こご)」と称しているが、「堅香子」はその一つだ。
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《カタクリの花を詠んだ俳句》
「片栗の一つの花の花盛り」
高野素十(たかのすじゅう)

「時流れきてかたくりの一つ花
加藤楸邨(かとうしゅうそん)

「かたかごの花や越後にひとり客」
森澄雄(もりすみお)