「猫の目の変化」と『猫の目時計』
猫の目の変化(6時〜18時)=(明ケ六ツ〜暮レ六ツ)
《猫の目の変化》
古い歌に「六つ丸く 五七は卵 四つ八つは柿の実にて 九つは針」と、『猫の目時計』を歌ったものがありますが、「忍者」もこの『猫の目時計』を利用していたと言われています。確かに『猫の目』は「光の量を調整するため」に、「朝と夕方になると」丸く(大きく)なり、「正午近くは」縦に細くなって線のようになります。ただし『猫の目時計』は条件が一定でないと使えません。正午でも暗ければ、猫の目は丸くなります。「時間というより光の量で『猫の目』は変化」します。
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『猫の目のよう』(イミダスより)
猫の瞳孔(どうこう)(虹彩(こうさい))は光の増減によって激しく変わることから、移り変わりの激しいことにたとえていう。
〔出典〕『洒落本(しゃれぼん)・跖婦人伝(せきふじんでん)』
〔会話〕「これが欲しいといったら、次にはあれのほうがいいんだって。ほんと、あの娘の買い物は『猫の目のよう』で、付き合わされる身にもなってほしいわ」「いったいだれに似たんだか……。おれの身にもなってほしいよ。」
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《猫の目が変化する理由》
『猫の黒目(瞳孔)』は、「時間や場所によってまん丸になったり細長くなったりと変化します」が、それはなぜでしょうか?
『瞳孔』は、「目に必要な光を取り込む働き」があります。「暗いところ」では多くの光を取り込むために瞳孔が開いて大きくなり、「明るいところ」では細くなります。そのため、「明るい場所から暗い場所へ移動したり、夜になったりすると猫の黒目が大きく変化」します。
「まぶしい場所」では「瞳孔を縦長に狭くして、光の量を調節」しています。また『猫の目の変化』は、「そのときの気分や感情を表している」と考えられています。
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『満足しているとき』…目を細める
『緊張しているとき』…左右の目の大きさが異なる
『興奮しているとき』…明るいところでも黒目が大きくなる
『眠いとき』…目がたれて、瞬膜(眼球を保護する膜)が目を覆う
『集中して見ているとき』…目を細めたり大きくしたりして、目の焦点を合わせる
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皆様の愛猫の目の様子はいかがですか?様々なときに観察してみると、面白い発見があるかもしれません。
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「人の目」と異なる『猫の目』の3つの特徴
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『動体視力に優れている』
「動物の目」には、2つの「視細胞(しさいぼう)」があります。1つ目は「錐体細胞(すいたいさいぼう)」という『色を感知する細胞』です。2つ目は「桿体細胞(かんたいさいぼう)」といい、『動きを察知する細胞』です。「この2つの視細胞の割合」によって、「動物の目の見え方」が異なります。
「人の目」は、前者の「『錐体細胞』の方が活発」なため、「色を感知すること」に長(た)けています。一方、『猫の目』は後者の「『桿体細胞』の方が活発」です。そのため、『猫の目』は「色の認識は苦手です」が、『動体視力』は人よりずっと優れています。
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『瞳孔の変化で見える世界が変わる』
『猫の瞳孔』は、「日中と夜では」大きさが違います。それは、「取り込む光の量を『瞳孔の大きさで調節』しているから」です。つまり、「瞳孔を小さくして光の取り込みをセーブしている昼間」は、『視界の幅』も狭くなっています。
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『光る!猫の目』
「夜、『猫の目』が光る理由」には、「夜行性動物の網膜(もうまく)の裏側にある『タベタム』という組織が関係」しています。この『タベタム』には、「光を鏡のように反射し増幅させる機能がある」ため、『目が光って見える』のです。
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『ねこのきもち』WEB より
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幸せ気分♡猫の目づかい
(ねこのきもち投稿ギャラリー)
「猫は『目づかい』でそのときの気分を表している」こともあります。ここでは、『幸せ気分のときに猫がする目づかい』を紹介します。
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『上目づかい』
(ねこのきもち投稿ギャラリー)
顔を動かさずに目だけを上に向ける『上目づかい』。飼い主さんに対し、『上目づかい』をするときは「おやつがもらえるかな」「遊んでもらえそうだな」と、《わくわくした気持ち》でいます。
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『半目づかい』
(ねこのきもち投稿ギャラリー)
まぶたがトロンとした『半目づかい』は、《気持ちの良さからリラックスしているとき》に見られます。心地良くてそのまま眠ってしまう猫も……
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『猫目づかい』
(ねこのきもち投稿ギャラリー)
猫は《安心してリラックスすると》、瞳孔が縦に細くなり『猫目』になります。特に、《猫にとって安心できる高い場所にいるとき》に、多く見られる目づかい(『猫目づかい』)です。
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『瞬きづかい・そらし目づかい』
(ねこのきもち投稿ギャラリー)
「猫が瞬きをしたり、目をそらしたりする」のは、《仲良しの合図》です。なぜなら、「猫の世界では相手の目を凝視(ぎょうし)することがケンカにつながる」からです。「飼い主さんや他の猫と目が合った際」に、『瞬きをする』のは《気まずさを和らげるため》、『目をそらす』のは《敵意がないことを相手の猫に伝えるため》だと言われています。
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この他にも、『猫の目づかい』から「警戒している」「興奮している」「不思議に思っている」など、『さまざまな感情を読み解くことができる』んですよ。
『猫の目』って、奥が深い……
(ねこのきもち投稿ギャラリー)
「人の目」とはまったく違う仕組みをしている『猫の目』。『猫の目にうつる気持ちを読む力』を身につけ、「目を見ればお見通し!」といえたらいいですよね♡
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▼詳しくは、こちらの記事も参考になさってください。
関連記事:【獣医師監修】『愛猫の目の様子』で気持ちを察知!ケース別に『猫の気持ち』を解説。
猫と一緒に暮らしていると、『猫にも表情がある』ことが分かります。その表情とは『目の動き方や形の変化から生まれてくる感情表現』です。『猫の目の様子から気持ちを伺(うかが)い知る』ためにも、どんな『目の表情』があるか知っておきましょう。
《参考》
『ねこのきもち』WEB 
MAGAZINE『猫の目づかいで気持ちを察知!上目・半目・猫目などケース別に解説』

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Santen(参天製薬[さんてんせいやく])の記事

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『猫の目の仕組み・不思議:暗闇のなかでキラリと光る印象的な大きな瞳』

夜行性動物であるネコは暗闇でもモノがよく見えます。ヒトの目と比べても7分の1の光の量で十分というのだからすごいですね。その理由の1つは暗闇で光る目。夜に外でネコと出合うと、光に反射したようにネコの目がキラリと光りますよね。それは、ネコの目には網膜の後ろにタペタムという反射板が付いているからなのです。網膜の視神経を刺激しながら入ってきた光を反射し、網膜に返すことで、わずかな光を2倍にして、暗いところでも鮮明に見えるようになっています。
もう1つの理由は目の大きさ。ネコは身体のサイズにしては大きな目を持っています。目が大きいと、それだけ瞳孔も大きくなります。大きさを変えて光の量を調節するのが瞳孔の役目。目が大きければ大きいほど光の量を多く取り入れることができるのです。明るいところと暗いところでは瞳孔の大きさが異なるのはヒトもネコも同じ。電気を付けたり消したりすると、その変化を見ることができます。
ヒトの7分の1の光の量で充分なネコですが、実は視力自体はヒトの10分の1程度しかありません。ちなみに、そんな視力の弱さを補うために、ネコの目は動くものに敏感に反応するようになっています。ねこじゃらしなどをネコの前で動かすと激しく反応するのはそのせいでしょう。もともと野生動物であるネコは捕食をするために、俊敏な動きの小動物に反応する必要があるからです。だから、対象物が止まると一瞬見えなくなることもあるようです。さらに、ネコは色もほとんど識別することができません。中でも赤い色はすべて緑色、オレンジ色は黄色に見えています。「光の量を感じる『桿体(かんたい)細胞』」が発達している分、「色を判断するための『錐体(すいたい)細胞』」が少ないためです。
このように、目の構造からみると『ネコは昼間より夜間にこそ能力を発揮する夜行性動物』といえましょう。
引用文献
小島正記 監修:『猫の正しい飼い方とくらし方』,pp.84-85,永岡書店(東京),1992
加藤由子:『幸せな猫の育て方』,pp.42-43,大泉書店(神戸),2005