今年も梅の花が咲きました!
今年、二度目の「花の話」ですが、皆さんは「花」と「鼻」の共通点が分かりますか。僕は常に「比較の目」で物事をとらえて考えながら観ているので、「花」と「鼻」の共通点が「先端(はな)に付いているもの」だと判断しました。鹿児島県指宿市の「長崎鼻」も半島の先端にあります。なお「長崎鼻」を調べてみたら、何と指宿市の「長崎鼻」の他に全国に4箇所もありました。ひょっとしたら、まだ他にもあるかも知れません。
「薩摩長崎鼻灯台」
観光名所 ·鹿児島県指宿市山川岡児ケ水字長崎
灯台と美しい景色で有名な印象的な場所。
「長崎鼻灯台」(現在は灯台としての機能はなし)
観光名所 · 鹿児島県いちき串木野市小瀬町
吹上浜と東シナ海の大海原が一望でき、夕方には美しい夕焼けを見る事もできる場所。
「長崎鼻灯台(長崎鼻一ノ島照射灯)」
観光名所 · 千葉県銚子市の最南端
銚子市内で初日の出を一番早く見ることができる場所。
「長崎鼻」
観光名所· 福井県大飯郡高浜町宮尾
「長崎鼻」
観光名所 · 香川県坂出市沙弥島
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皆様、梅の花々をご覧になって、是非とも「華(はな)やいで」ください。ちなみに『華やぐ』とは、「1 .はなやかになる。明るくはでになる。2 .時めく。栄える。 3.気持ちが躍る。心が躍る。胸が躍る。うきうきする。ワクワクする。」ということです。
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「梅」は中国原産のバラ科の落葉小高木。「春、葉に先立って香高く咲く梅の花」を日本人は『万葉集』の時代以来、求愛してきました。庭木、盆栽、切花として鑑賞する「花梅(はなうめ)」の品種は、おもに江戸時代に作られ、現在は200以上あります。ちなみに2月の別名は『如月(きさらぎ)』ですが、この呼び名はご存じの方も多いと思います。その他にも様々な呼び名がありますが、その一つが『梅見月(うめみづき)』です。何だかロマンチックな呼び名です。2月は、まだまだ寒さの厳しい時期ですが、「梅の花が咲き始めると春が近づいている」ことを人は感じます。人々は春の到来を長い冬の間、待ち望んでいたので、春の到来を告げる「梅の開花」はこの上のない喜びです。

今年、一番初めに出逢った白梅の花(1月17日)
湯殿川沿いの肥えた土手で大きく育った白梅の木々
ズームアップした白梅の花
町田市相原の諏訪神社境内の「雲龍梅(ウンリュウバイ)」の一本の木(1月18日)
『雲龍梅』は「樹形や枝振りが龍のうねった独特の姿形をしている」ところから名付けられました。生け花や、盆栽に用いられます。花は白花、八重、小輪で芳香があります。開花期は2月から3月。「香篆梅(コウテンバイ)」とも呼ばれます。        
「雲龍梅」のズームアップした白い花     


今年、初めて見た紅梅の花(1月22日) 
湯殿川沿いの肥えた土手で大きく育った紅梅の木々
ズームアップした紅梅の花(1月23日)

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『白梅』に遅れて咲く『紅梅』は、その色が好まれました。平安時代の襲(かさね:衣装の重ね着、中古に袍[ほう]の下に重ねて着た衣服)の色目(いろめ:服の色のかさなりを表す言葉⇒奈良時代・平安時代は薄く、透ける素材をうまく利用して、布の表地と裏地を重ねたり、衣服を重ね着したりして独特な美しい色調を作り出し、装いを彩[いろど]リました)の中には、「紅梅」「紅梅匂(こうばいにほひ[におい])」「裏紅梅(うらこうばい=うらまさり‐こうばい【裏▽優紅梅】: 襲 [かさね]の色目の名。表は紅梅、裏は紅。初春に使用。)」などの梅にちなんだ名が数多くみられます。

ところで、梅は『匂(にほひ)、香・香織・佳織(かをり・かほり)』で味わうものです。この「香」という言葉が入っている歌を歌ってヒットした『シクラメンのかほり』(歌手・布施明、作詞・小椋桂)の『かをり』は間違いだと言うことが識者の間から指摘があったということですが、小椋桂はその題名を変えることはありませんでした。実は作詞者・小椋佳の奥様のお名前は「佳穂里」と書いて「かほり」だったのです。つまり「シクラメンの香り」ではなかったということです。

紅梅の花の蜜を美味しそうに吸っている鶯(ウグイス)
「ウグイス」の体長はオスが16 cm、メスが14 cmで、スズメとほぼ同じ大きさです。翼開長はオスが21 cm、メスが18 cm。体色は雌雄同色、背中がオリーブ褐色で、腹面は白色、全体的に地味です。『梅に鶯』という言葉がありますが、これは「盛り合わせよい二つのもののたとえ」、また「美しく調和して風情のあるもののたとえ」です。

今年、初めて出逢った目白(メジロ)(1月18日)
『梅にウグイス』か、はたまた『梅にメジロ』か?
「メジロ(目白)」の大きさは、嘴(くちばし)の先から尾の先までの長さ(全長)が約12センチ、体重が9~12グラムあります。スズメより小さな体をしています。「メジロ」の体の羽毛は全体的にオリーブ色を帯びた緑色をしており、「眼の周りが白い」のが特徴です。「メジロだから眼が白い」のではなく、「瞳は黒色で、虹彩は淡い褐色」です。「眼の周りが白色の囲眼羽(いがんう)と呼ばれる羽毛」になっていて、「眼をぐるっと取り囲んでいる」のです。甘いものに目がない甘党の「メジロ」は、冬にはサザンカの花、春になるとヤブツバキやウメの花を訪れます。「メジロは花粉を別の花に運んでくれる」ので、梅にとって結実のための『花粉の運び屋さん』なのでウメにとっては大切な動物だといえます。 
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《蝋梅(ロウバイ)の花2態》
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蝋梅(ロウバイ)(1月14日)
『ロウバイ』はまるで蝋細工(ろうざいく)のような黄色い繊細(せんさい)な花を咲かせる中国原産の落葉低木。なお『ロウバイ』は「ロウバイ科」で、「バラ科の梅」とは関係がありません。『ロウバイ』は開花期以外はあまり目立ちませんが、「新春に香り高い花を咲かせる貴重な存在」です。中国では「梅(ウメ)、水仙(スイセン)、椿(ツバキ)」とともに、『雪中の四花』として尊ばれています。「江戸時代初期に日本へ渡来」し、「ほかの花木に先駆けて咲く香りのよい花」が人々に愛され、「生け花や茶花、庭木」として利用されてきました。『ロウバイ』の花は「内側の花弁が茶褐色」ですが、一般に出回っているのは「すべての花弁が黄色の『ソシンロウバイ』やその園芸品種」です。
蝋梅(1月14日)、明るく黄色く光輝いています。
「赤、白、黄色、どの花見てもきれいだな」という歌の文句がありますが、いずれも梅だと思いきや、残念ながら黄色い花を咲かせる『ロウバイ』は、「バラ科の白梅・紅梅」と違い、「ロウバイ科」なので仲間はずれです。
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一昨日(1月26日)は、今年初めての満月「ウルフムーン」でした。「ウルフムーン」は、アメリカの先住民が「真冬の食糧不足を嘆く、飢えた狼の遠吠えにちなんで名付けた」ものです。寒さの厳しい北米の冬に響き渡る、狼の悲壮な鳴き声を想像すると、1月の満月が物悲しくも儚(はかな)げに見えます。地上で花を開き始めた梅の花の香りに惹(ひ)きつけられたのか、その香りを味わおうとして、1月の満月(ウルフムーン)は下界を見下ろしてしているように感じられました。
満月も梅の香りに足を止め(拙作)
満月に明く照らされし白き梅(拙作)
満月も霞目(かすみめ)で見る梅の花(拙作)
暗闇にほのかな灯り梅の花(拙作) 
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現在は「花見(はなみ)」と言えば『桜』ですが、江戸時代は「梅に始まり菊に終わる」とも言われ、「季節の花見」を楽しんでいました。また、「1年の最初の花見」は『梅見(うめみ)』だったのです。1年で最初に咲く花『梅』は、古くから日本人に愛されてきました。「梅は百花(ひゃっか)の魁(さきがけ)」とも言われるように、「梅は花の先頭をきって咲く花」です。この梅は「古くから日本人に親しまれてきた花」であり、「梅の上品で優雅な香り」は詩歌(しいか)にも多く詠(よ)まれています。ちなみに梅は中国の四川省から湖北省付近が原産の落葉高木ですが、奈良時代に中国文化とともに『薬木(やくぼく)』として日本に渡来しました。日本で「現存する最古の和歌集」である『万葉集』が編纂(へんさん)された奈良時代には「花」と言えば『梅の花』でした。梅の「香」を味わいました。なお『万葉集』に収録された「梅の歌」は百種余りあり、秋の『萩』に続いて2番目に多く登場しています。『古今和歌集』が編纂された平安時代になって「花」と言えば『桜の花』を指すようになりました。「花の色」で味わいました。なお日本人は花を愛(め)でる民族ですが、それを表すように『観梅(カンバイ)』『花見(はなみ)』『紅葉狩(もみじが)り』という素晴らしい言葉があります。『梅の花』は、ただ見るだけではなく、「良く観察して香りを味わう」ために『観梅』と言うようになったのでしょう。一方、『桜の花』は「花の色を良く見て味わう」ために『花見』というようになったのでしょう。