江戸時代、街道を通る人々を見守った道祖神
江戸時代、街道を通る人々を見守った阿修羅像?

大岳山と関東山地の山々
大岳山をズームアップ
八王子市の町並み⇒5.2倍
八王子市の町並み⇒10倍
八王子市の町並み15.6倍
八王子市・日野市・羽村市など多摩地域にお住まいの皆様は西の方に見える関東山地の山々をご覧になられたことがおありだと思います。なお都心からも関東山地の山々を見ることができるのではないでしょうか。「東京近郊から見える西の山々」は、「伊豆半島がプレート活動により本州にぶつかり押し上げた地面の『しわ』」なのです。見る場所により「富士山の位置」はかなり変わりますが、「その他の山の並び方」はそんなには変わりません。近年、東京は大気汚染も落ち着ついて都市化による乾燥により、今はきれいに見ることができます。僕が上京した約半世紀前は「光化学スモッグ」で東京の街はいずこもスモッグで覆(おお)われていたので、「西の山々」を眺めることなどまったくできませんでした。
まさしく悪夢(悪霧)なり。今、「光化学スモッグ」は中国で猛威を振るっているそうです。
上の大岳山の2枚の写真は八王子市七国町に残されている「七国古道(鎌倉古道)」の高台になっている所から撮ったものです。僕が良くお参りに行っている「道祖神」と「阿修羅像」がある所は、わずかに残された「七国古道」の坂道の入口にあります。この入口から北から南へ続いている「七国古道」の坂道を登って行くと「七国おおふね若山緑地」に出ます。そこから右手にある竹林を見ながら「七国古道」の坂道をずっと上って行くと、残念ながら行き止まりになっています。その行き止まりの所から東京都水道局の大船配水所の2基の巨大タンクが見えます。行き止まりから少し引き返して、眺めの良い所を探します。そうすると、東側や北側に八王子市の町並みや関東山地の山々が本当にくっきりと見えます。僕は1月18日にこの場所を初めて訪れました。これまでは完全な形で残されている「七国古道(鎌倉古道)」の「七国峠」には何回も行ったことがあります。この「七国峠」の1番高い所に安置してある「大日如来」を拝みに時々来ます。その近くには「名勝・七国山関七州見晴台跡」という石碑がありますが、残念ながら今は周りを大きな木々が囲んでいるので見晴らすことはできません。今回、出逢った「七国古道(鎌倉古道)」は本当に眺めの良い自然の展望台です。大発見なり!!
「大岳山」の写真に八王子市の北口にある多摩地域最高層の「サザンスカイタワー八王子(地上41階、地下2階)」を眺めた写真を添付します。
《鎌倉古道・七国峠》
「鎌倉古道」は鎌倉時代(1185年)頃より旧東海道から伊勢原、厚木、津久井より相原を経由し八王子の甲州街道に至る重要な街道として、明治時代まで利用されていました。「七国峠」は、「関東の七州、武蔵、相模、甲斐、信濃、安房、下総、上野の七つの州が見えた」ことから呼ばれています。ちなみに、古人(いにしえびと)たちは、この「鎌倉古道」を通って出羽三山に修行に行っていました。それを物語る石碑「出羽三山供養塔」が、この七国峠の途中にあります。「出羽三山」とは「羽黒山、月山、湯殿山の総称」で明治時代までは「神仏習合の権現を祀る修験道の山」でしたが、明治以降、「神山」となり、「羽黒山は稲倉魂命(うかのみたまのみこと)」、「月山は月読命(つくよみのみこと)」、「湯殿山は大山祇命(おおやまつみのみこと)、大国主命(おおくにぬしのみこと)、少彦名命(すくなひこなのみこと)」の三神を祀(まつ)ることになりましたが、開山以来、「羽黒派古修験道」は継承され、出羽三山に寄せる信仰は今も変わりません。「修験道」は中世以来、天台・真言・華厳などの諸宗と深く関わりをもっていましたが、しだいに教団的組織を整えるようになり、のちに本山派(天台系)・当山派(真言系)と発展し、鎌倉時代には羽黒山にも巨大な修験者の教団である「羽黒派」が成立しました。 野外に護摩木(ごまぎ)や藁(わら)などを積み上げ,そこへ仏菩薩(ほとけぼさつ)を招き点火します。 その火により「修験者の煩悩(ぼんのう)を焼き尽くす」とともに,「天下国家安穏,家内安全,五穀豊穣などを祈願」します。修験道の最高の法儀(ほうぎ)である柴燈護摩(さいとうごま)は、羽黒山の開祖・能除仙が役行者に授けたものであるという伝承から、羽黒山こそ修験道の根本であるとして「古修験道」と称しています。
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《大岳山(おおだけさん、おおたけさん)》
(関東山地の東京の山)
「大岳山」は、東京都西多摩郡檜原村、奥多摩町の境界、奥多摩山域にある標高1,266.5mの山。位置:北緯35度45分54秒 東経139度07分49。標高はさして高くないが、個性的な山容(山体が片肩上がりになっている)を備えた「奥多摩の名峰」である。「日本二百名山」及び「花の百名山」の一つに数えられる。多様な登山コースがあり、初心者から経験者まで幅広く楽しめる山である。八王子辺りの人達はこの山を『キューピー山』という。「おぼっちゃまくんの頭に似ている」ことから『茶魔山』という人もいるし「でこちん山」「でこぴん山」という人もいる。山は見る方角によって山容が変わるので同じ山でも地域によって呼び名が違う。
「大岳山」は古くから「農業の神」として、また「火災や盗難の守護神」として「山岳信仰の対象」であった。山頂付近の『大岳神社(大嶽神社)』は「徳川幕府の江戸城守護の祈願」が行われていたという。
山頂付近の特徴的な山容である「片肩上がりの山体」はどこからでも識別できる。古くは『武蔵通志(山岳篇)』は「両総(りょうそう)地方(上総、下総両国を含むにて武蔵(むさし)の『鍋冠山(なべかぶりやま)』と称(しょう)し海路の標(しるべ)となす」と記されている。(「江戸期には江戸湾に出入する船の目標でもあり、湾の漁民からも目印にされた」ようだ。)いわゆる「天文山(てんもんやま)」(方向などを観測するための山)の1つである。山名も古い文献を見ると『大岳』となっている。この「片肩上がりの山体」が「鍋の蓋を伏せたように見える」ところから『鍋割山(なべわりやま)』『鍋冠山(なべかぶりやま)』と呼ばれた。また、東京都多摩地域、埼玉県所沢市、神奈川県相模原市付近でも、「キューピー山、茶魔山(漫画「おぼっちゃまくんの主人公:御坊茶魔より)」など 地域での通称がつけられていることがある。
多摩川の南岸にある「大岳山、御前山、三頭山」を『奥多摩三山』と呼ぶ。東京都の「奥多摩山域の代表的な山の一つ」で、『多摩百山』に選ばれている。
なお田中澄江は「花の百名山」として、代表する花のイワウチワを紹介した。
かつては、山頂付近に、「大岳山荘」があったが、2008年1月21日から土曜日、日曜日、祭日、年末年始のみ営業となり、2008年3月末に閉鎖。(2010年4月現在は)荒廃し、展望の良かったテラスは崩落の危険があり閉鎖されている。
《大岳山に隣接する山》
御岳山(みたけさん)
鍋割山(なべわりやま)
鋸山(のこぎりやま)
《関東山地の東京都の山》
川乗山(かわのりやま)1363m
酉谷山(とりだにやま)1718m
雲取山(くもとりやま)2017m
三頭山(みとうさん)1531m
大岳山(おおだけさん)1266m
じんばさん(じんばさん)
陣馬(場)山(じんばさん)855m
たかおさん
高尾山(たかおさん)599m