《当たり前田の耳寄りテレビ番組紹介》
黒澤明の監督の傑作「生きる」が、本日1月8日(月)13時5分からNHK総合で放送されます。 
「生きる(生きる)」
モノクロ、スタンダード、143分。東宝創立20周年記念映画。
1月8日(月・祝)[総合]午後1:05
巨匠、黒澤 明監督。代表作の一つ『生きる』。余命僅かと知った男が、人生の意味を見いだしていく。黒澤ヒューマニズムの頂点とされ、今も世界中で愛される傑作をお楽しみください。
「本作は、市役所で働き、30年間無欠勤のまじめな男、市役所の市民課長・渡辺勘治が、ある日、自分が胃癌であることを知る。余命わずかだと知ったことから展開する物語。街へ出て羽目を外す勘治だったが、元部下の小田切とよとの出会いをきっかけに心機一転、仕事に取り組んでいくことになる。命が残り少ないと悟ったとき、彼はこれまでの事なかれ主義的な生き方に疑問を抱き始める。そして、ある市民から出された小公園建設に関する陳情書に目を留める。自身の人生を悔やみ始めていた彼は、最後に市民のために奔走する。」
勘治を志村喬が演じ、そのほか小田切みき、小堀誠、金子信雄、千秋実、菅井きん、宮口精二、加東大介がキャストに名を連ねる。
公開日: 1952年10月9日 (日本)
監督: 黒澤 明
原作者: レフ・トルストイ
原作: イワン・イリッチの死
音楽: 早坂 文雄
映画脚本: 黒澤 明、 橋本 忍、 小国英雄
生きるはamazon.co.jpで星4.5個と評価されました。
4.2/5Filmarks
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「NHK映像ファイル あの人に会いたい」File No. 227
黒澤明(くろさわあきら)
(1910~1998)(映画監督)
至言「頭で映画を作ろうと思ったらダメ心で作るつもりにならなければ」
生涯に30本の映画を作り、“世界のクロサワ”と言われた映画界の巨匠・黒澤明。ヴェネチア映画祭で金獅子賞を受賞した「羅生門」をはじめ、独特の映像世界を創造し、世界中の映画ファンに感動を与えた。その一方で、映画製作に対する厳しい姿勢から、「完全主義者」「黒澤天皇」と呼ばれた。ともすれば、ワンマンのイメージもある黒澤監督だが、スタッフを叱咤激励する厳しい姿勢の裏には、独自の思いと哲学が込められていた。映画ならではの美しさを求め続けた監督の、映画作りに対する深い思いが語られる。
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コラム 2023/3/18 18:30
“世界のクロサワ”はなにがすごかった?アカデミー賞と黒澤明、『生きる LIVING』への70年にわたる関係
映画の歴史を振り返った時、レジェンドとされる監督は何人も存在する。そのなかでも“レジェンド中のレジェンド”として世界中からリスペクトされ続けているのが、日本の黒澤明だ。いまでも海外の映画人の多くは「影響を受けた映画作家」として、黒澤の名を口にする。
生涯で30本の劇映画を監督し、そのすべてがハイクオリティで革新的な演出にも挑んでいたレジェンド、黒澤明[c]Everett Collection/AFLO
1910年に生まれ、1998年、88歳でこの世を去った黒澤は、生涯で30本の劇映画を残した。監督人生の長さを考えれば、作品数はそれほど多くないかもしれない。しかし、一本一本のクオリティがあまりに高く、なおかつ多彩なジャンルに挑み、革新的な演出も多く試みている。“世界のクロサワ”の呼び名にふさわしい、まさに映画監督の「見本」のような存在だ。
アカデミー賞、三大映画祭、日本映画を世界に羽ばたかせた、唯一無二のパイオニア。
一人の浪人が、ある宿場で対立関係にあるヤクザ同士を衝突させて破滅させようとする『用心棒』[c]Everett Collection/AFLO。
世界三大映画祭での受賞歴を振り返るだけでも圧巻だ。1951年、『羅生門』(50)がヴェネチア国際映画祭の金獅子賞を受賞。世界三大映画祭で日本の監督が最高賞という初のケースになった。ヴェネチアでは1954年、『七人の侍』が銀獅子賞。さらに1961年の『用心棒』、1965年の『赤ひげ』で主演の三船敏郎が男優賞を2回受賞している。カンヌ国際映画祭では1980年、『影武者』がパルムドール(最高賞)。さらにベルリン国際映画祭では1959年に『隠し砦の三悪人』(58)が銀熊賞(最優秀監督賞)に輝いた。
(フランシス・フォード・コッポラ、ジョージ・ルーカスら現代の巨匠からも尊敬される黒澤明。)
極めつけは、アカデミー賞での実績である。『羅生門』がカンヌに続き、1952年のアカデミー賞で名誉賞を受賞(当時は外国語映画賞が名誉賞扱いだった)。『羅生門』は翌1953年のアカデミー賞で美術監督・装置賞にノミネートされた。外国語映画賞(現・国際長編映画賞)では1972年に『どですかでん』(70)、1976年に『デルス・ウザーラ』(75)、1981年に『影武者』と3度ノミネートされ、『デルス・ウザーラ』が受賞。1986年には『乱』(85)(老齢の戦国武将が、息子たちの骨肉の争いに翻弄されていく)で監督賞にノミネートされた(日本人では2人目)。この年、『乱』は4部門にノミネートされ、衣装デザイン賞(ワダエミ)が受賞を果たす。多くの人の記憶に残っているのは、1990年、黒澤自身が名誉賞を受賞した瞬間で、ジョージ・ルーカスとスティーヴン・スピルバーグの2人が最大の敬意のコメントと共に、黒澤にオスカー像を渡した。