、、、夏休みに入り6日目。









ようやく補修授業も前期の前半が終了し、明日から2日休みだ。













クラスメイトの実に3分の1(本日13名)サボる中、なんで僕が学校なんかにいかなくてはいけないのだ、と不満をつぶやく日々である。












だいたい朝8時半から夕方4時半までとか平常よりも長いじゃん。何だよ何だよ何ですか?これ。よっぽど愉快な死体になりてえのかよ学校の奴等。












、、、と吠えた所で失われた休みは帰ってこない。毎日毎日アイスブラックを飲みながら勉強するふりをしていると鬱になってきた。












明日明後日は休みだが当面の間はメンバー復帰も控える事になっている。なので飲みにでも行こうかなと考えながら電話帳をスクロールさせていたら現店長のプロから電話が会った。













暇やろお前。遊びに来いよ。














本末転倒じゃねえか野郎wあんたが僕を誘ってどないすんねんw













、、、はァ~暇だ。誰でもいいから飲みに行こうよ、いや真面目に。













日々意味の無い空白の時間が過ぎていくよ、、、まったく
なんで僕はこんな所にいるんだろう、、、。








名古屋行き急行車輌に乗り込みながら僕は憂う。













遠征しに行こう。なんでこんな事考えついたのかも知らないが、思考をした僕の足は迅速に行動へと移り代わった。












昨夜雀壮の皆と飲みに行き、ピンサロで本番コースを頼み、殆ど眠らずにそのまま、足が動いて駅についていた。











エキキャベとユンケルを同時に煽り、躯のあちこちで音を上げている節々を無理矢理動かし、殆ど信念のみで乗車。












行き先は一応四日市の有名な雀壮。まあ名古屋まで足を延ばすのもありかもしれない。













、、、なんでこんな事になったんだか。












本来なら今日も、豪遊していた昨日も、相変わらず雀壮のメンバーとして生きていた筈なのにな。













7月20日。














終業式も終わり、ようやく学校からの柵を(一時的に)解放されると僕は少し調子に乗っていた。













公立中学の教師のセットの為に3時に店を開けてくれと言う頼みを一言二言で快諾したり、普段は絶対買わない様なふざけた缶ジュースを買い、もう一人のメンバーの彼女自慢を真面目な顔して聞いたり、それこそいつもの僕とは違った。












ただただ、幸せな気持ちで一杯であった。昼間たっぷり眠れる日々が来ることに対して。













まさかそこに魔の手が来るなんてね。













セットもフリーも大盛況となり、フル稼働を始めた19時過ぎ。












僕の平穏は偵察にきたセンコウ共によって跡形も無く崩れた。













一年と半年。ポジティブに考えればよくこれまでばれなかったものだ。、、、ネガティブに考えると何故わざわざ夏休み初日なのだ。











露呈の理由は今では定かではないが、そこにいたるまでの事象などはっきり言ってどうでもよい。問題はその先の結果、、、夏休みオール潰れ&雀壮解雇&雀壮出禁だ。












お蔭様で土曜日は朝から自宅にただただ引きこもり、モグラの様に生き、夜中西美を慰めよう会で僕は腐りきる事になった。













そして今となって気付く。ありふれた日常だと思っていた日々は実は僕にとって唯一無二の心の支えであったと。












本格的に学校なんか辞めちまおうかな、なんて事も考えたが母がそれならお前に親父の遺産は回さん、と決定事項を捩曲げる様な事まで言われ、押し止められる。














だから今日は少しでも気分を変える為、わざわざうちの系列ではなく四日市まで足を運んだのだ。













四日市駅を下り、ぶらぶら適当にあるいて目的の雀壮へ。












うちの店の店長はその店に所属する別のプロと面識があり、その人の紹介だと言うとすんなり通された。













積み棒300の25000点持ち30000点返し計算の丸A式ルール。丸Aトップ、丸Bトップ、丸Cトップ、丸Dトップの四種類のトップがあり、レートは0、5ながらも動くときは5000円は動くルールだ。













そんな説明を美人のメンバーに受けた後、預かりを適当に渡し、卓の中へ。













全自動配牌式は初めてだがなんの違和感も無く受け入れられ、適当に麻雀を打っていった。













頭の中は雑念ばかりである。明日からの学校での指導の事。一年で貯めたけして少なくはない預金残高でどれだけ凌げるか。この大変な時期にメンバーを辞めてどうするか。てかセンコウ全員死ぬet、、、













そんな雑念の中生半可に打っていて身が入るはずもなく、適当に三万点(クビ)だけ狙い続け、5回打って終わって見れば一応上連帯の5回連続2着。ちなみにクビが切れたのは一回だけ。













2000円▲程度で、成績の割には、、、と思っていたら電話があり、2700円換金するのをこちらの手違いで間違えました、と詫びの電話がかかってきた。













眠くて、かつ電車賃でそのくらいは取られていた僕は面倒くさくなり、適当に預かっといてください、また取りにいきますのでと言っておいた。取りにいくだけで電車賃として1500円ほど失うんだからなんか割にあわねえよなこれ。













帰宅し、とりあえず反省文を書こうとするも、面倒くさーいとなる。















だーーーーーーて、何にも反省してないもーん!













嘘を書くのは一番インスピレーションが沸かない。













とりあえず雀壮のメンバーは金曜夜限りで終了。唯一の居場所を僕は失った。














しかし、センコウ共、これだけは言っておく。













例えどこまで僕を追い詰めても打開策なんていくらでもある。最悪僕の頭の中にある莫大な麻雀に関する事柄だけは奴等にも取り除けまい。












嘗めるなよ、、、なんとしても僕は麻雀だけは続けてやるからな。
須田恭也 風紀委員第177支部 14時00分00秒









須田は驚愕を目の当たりにしていた。










釘付けになっているのは177支部に置かれた薄型テレビ。









昼のワイドショーが終わり、テレビはニュースの放映に入っていたがそこで超能力についてのニュースをしていたのだ。










科学の力を用いた人為的な能力開発。唯一の開発機関は恭也が今いる学園都市。








(超能力を、、、人為的に発言する、、、だと?)










恭也は別に異能の力を全否定するような頭が固い男ではない。それどころか彼自信が異能の力に携わっている。








どんな生命体でも絶対に魂を燃やしつくす(と言うかそれしか燃えない悲しい能力でもある)煉獄の炎を初め、交わる事のないはずの世界と世界の間に門を開く水鏡の扉、他人の視界、聴力をジャッジし位置情報を把握する幻視、さらには絶対に滅びない永遠の肉体と絶対に滅びない永遠の魂の力。









勿論一部の力には間に宇理炎や焔薙など能力の使用に不可欠な呪具も必要となるがあくまでそれは力を補助するバイパスの様なものだと恭也は考えている。










本来異能の力とは只の人間には絶対理解出来ないごく稀な力であると恭也は信じていたが、、、









(このニュースが本当だとするならばとんでもない話だぞこりゃ、、、)









科学的な技術を使った自己暗示だの、発現しやすい能力だの、あまり恭也に理解出来る物ではなさそうだが、、、









恭也の根本的な所にあった疑問を加速させるには充分な内容であった。









やはり、、、異界にしか存在出来ぬはずの恭也が存在出来るこの世界はおかしい。あまりにも理解がしがたい所が多過ぎる。









どたばたとなにやら大変そうな学生服姿の男女数名の中、恭也を捕まえここまで引っ張ってきた白井に声をかけることにした。




「ちょっと聞きたい事があるんだけど」




「上から貴方の処分は保留、ほったらかしにしておけと命令が下されてますの。手短にお願いしますわ」




「君も超能力者なのかい、、、?」




「、、、貴方は超能力についての予備知識をなにも知らないのですの?」




「知るわけないだろ。学園都市の人間じゃあるまいし。能力者ではあるけど、、、」








そこまで言うと白井はぶつぶつとやはり噂の原石、、、しかし本当に実在しているとは言い切れませんの。シラを切ってるようには見えませんし、、、となにやら殊勝な顔付きで考え込み始めた。









「もしもし?白井さん?」




「、、、とりあえず貴方は学園都市で行われている能力開発にまったく知らないようですわね。いいですこと、学園都市内能力者の数はいくらでもいますが超能力者はたった7人しかいないのですわよ。」




「???君の能力、、、瞬間移動みたいなのは充分超能力に見えたけど」




「私はレベル4の大能力者ですわ。それと瞬間移動では無く空間移動です。第3次元を第11次元に置き換える事によって空間移動していますのよ。」




「レベル4、、、?」




「学園都市は能力者を生み出す開発機関ですわ。つまり異能の力等珍しくともなんともない。だから学園都市は能力開発の時間割(カリキュラム)を受けるものにレベルを下していますの」




「つまり数多の能力者の中でも超能力者と呼ぶに相応しい段階に達成するまでレベルでカウントしていると?」




「見かけによらず頭の回転は速い様ですわね。学園都市の能力には実用性に乏しかったり、力が弱すぎたりする能力が多々ありますの。例えば、、、」





白井は適当に机にあった文房具入れからプラスチックで出来た定規を出し、恭也に指し示す。




「どんな才能のない人間でも一定のカリキュラムをこなし、投薬や暗示によってこのくらいの物なら触れずに折る事はできますわ」




「ふんふん。それで?」




「しかしそこに意味はあって。こんなものある程度の筋力さえあれば誰でも折るくらいはできます。つまり異能の力には違いなくてもそこに意味がない能力が多いんですの」




「それを超能力と呼ぶのはあまりにも侘しいと言うことか」




「発現しやすい三大能力は発火能力、発電能力、透写能力の三つ。しかしどれをとってもレベルが低ければせいぜい指先に火を燈せるとか、火花を散らせるとか、トランプの数字を言い表せるとかそんなものでしかないですの」




「ふーん。そういう能力もあるのか」




「ようは、実用性があるか、発現しにくい珍しい能力であり、かつその能力を人間離れするくらいまで極める事により初めて超能力者と呼ばれるレベル5に辿りつけるのですわ」




「難しいなぁ、、、そういや君はレベル4て言ってたけど?」




「ああ、テレポーターの数が絶対的に少なく、かつ私は自分自信もテレポート出来ますのでレベル4ですの。大能力と呼ばれていて結構自分の力に自信はありますのよ~。」








成程、、、能力開発は行ってはいるが実質に普通の人間が「だからなに?」と受け流さない様な力を持つものは一握りなのか。









恭也は少しほっとする。皆が皆、白井の様にすごい能力の持ち主ならばあわよくば逃げ出そうと思っている恭也の退路は断たれた事になる。







「ちなみに学園都市にはその全域をくまなくカバーしている監視カメラとどこまでも追尾を続ける人口衛星があり、また能力者でも太刀打ち出来ない近代兵器を武装した警備員(アンチスキル)もいますから逃げ出すのは無理ですわ」









まるで恭也の心を読んだ様に得意顔で話す白井。そりゃ人為的に能力開発を行うほど科学が発達したこの世界には恭也も知らぬ近代兵器があってもおかしくないか、、、。










出会ってまだ少ししか経っていないがあまり白井を刺激してはいけないと頭の中で警告ブザーが鳴っているので恭也は胡麻を擦っておくことにした。






「しかしレベル5て言うのが7人しかいないなら日常にもほとんど関わってこないんだろ?話を聞く限り230万も人間がいるなか7人しかいないんならほとんどの人が超能力者を見た事もないんだよな。ならレベル4の君とかが実質皆が知るすごい能力者なんじゃないの?すごいと俺は思うよ」











沈黙。











やべ、もしかしてレベル5への嫉妬とか会った!?と慌てるも白井が呟く。







「、、、レベル5は確かに会おうと思って会える様なものではないですの。しかしですね、、、」









そこで風紀委員室の扉がバーン!と開いた。









「もう御坂さん。コードレッドが出ていてただでさえぴりぴりしている中扉の電子ロックに不法侵入せずに普通に呼び鈴ならしてくださいよ」








と頭に花を生やしたツッコミ所漫才の風紀委員が言う。対して突然の乱入者はいいじゃないの、黒子の着替え持って来ただけだし、とどこかあっけらかんだ。









半袖の白いブラウスにサマーセーター、灰色のプリーツスカート。白井と寸分違わぬ制服を来た整った顔立ちの少女がそこにはいた。






「噂をすれば影法師、、、この場合噂をしようとすればですけど。」




「?先輩か?同じ学校の風紀委員の人?」









クエスチョンマークを乱立させる恭也。









と疲れた顔に僅かな笑みを浮かべた白井が呟いた









「彼女こそ学園都市に7人しかいないレベル5の第三位、、、発電能力者の最高峰。超電磁砲、御坂美琴ですわよ」









屈託ない笑顔を浮かべ白井のもとに歩みよった、この奇抜な都市が認める超能力者が口を開いた。








「黒子、なにその人?あんた仕事の忙しさにかまかけて男でも連れ込んでんの?」









ジャスト御坂の胸に飛びつこうとしていた白井がそのまま硬直し、勝てぬと分かっている勝負に(この猿人が私の彼氏に見えまして!?と叫びつつ)踊り出て、あっさりと撃破されたのは言うまでも無かった。








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