息子のベッドに息子と並んで座り、お喋りしていたら・・・急に
「今の俺は○○(息子の名前)じゃない」
「本当の俺はもう死んでしまった」
そんなことを言い出した
確かに、身体は元気な頃とは全く違い自由になれない。
心の中も変わってしまった。違うことは見ていて分かるけど・・・
「○○は死んでなんかいないよ、ちゃんとここにいるじゃない」
「本当の俺って何なの」
息子の心の中に潜んでいるものを探りたくなった
「俺はこんな目をしていなかった。もっとキリッと輝いた顔していた」
「変なこと言わんし、とにかく本当の俺じゃない」
自分で分かっているんだよね。抑えきれない感情が溢れ出て、人を傷つけたり
手が出てしまったり・・・怒ったり笑ったりいろんな感情を出しているけど、
昔は冷静だったもんね。判断力もあったし、人と上手く付き合えた。
リハビリスタッフや看護師さんなど、高次脳機能障害を理解してくれている人は
息子の創り話を合わせて聞いてくれる。話に乗ってくれている。
一緒に冗談交わして幼い息子と同格になって話してくれる
でも、病気を理解していない若いヘルパー君はたまに「また、嘘つきよう」って言ってる。
世間に出るともっと難しいのかなって思う。
まだ、小学生のような息子だから心配でたまらない・・・
看護師さんからのクリスマスプレゼントはドラえもんの貯金箱だった
どこでもドアが付いていてメッセージが書いてあった
怒らない、叩かない、お利口さんにした時に貯金していこうと私と約束した
25歳の息子はまだまだお子ちゃまだけど・・・
私の本当の子ども、息子なんだ。嘘でもない。夢でもない。生まれ変わったんじゃない。
本当の○○(息子の名前)、だから死んだなんていわないでね
22年間は元気に歩いて自由に生きてきたけれど、歩けない、動けない今でも
変わらないんだから。これからもずっと生きているんだよ