やっと、母が回復期の病院へ転院した
病院が介護タクシーを頼んでくれたが、30分の移動で苦しそうだった。
二か月ぶりの外の世界、そして車椅子に乗っての車の移動
とても感じが良いタクシーの運転手さん。二度も車を止めて様子をみてくれた。
病院のベッドに寝かせて、看護師さんの説明を聞くまでに随分待たされた。
母が急に起きだそうとしたから「どこ行くの?」って聞くと・・・
「おしっこがしたい」と言うではないか
タクシーに乗って動いたことで脳が覚醒したんだろう
ご飯も食べる事は難しいと言われていたが、「管が取れて転院したい」と
強い希望を伝えていたら、三食とろみ食だが食べれるようになった
主治医も、STさんも難しいと言っていたのに、諦めてはいけない。
そして、見た目だけで判断して欲しくない。出来る能力を引き出して欲しいと感じた。
ベテランのSTさんが、転院する最後まで頑張ってくれた。感謝でいっぱいだ。
転院の日母のもとへ、父親と息子が面会にやってきた久しぶりのご対面だった。
ふたりで顔を見合わせて、ヘラヘラ、ケラケラ笑っている
母は息子に「なんて、可愛い顔をして笑う」と言う
息子はそれが嬉しくてまたヘラヘラ笑っている。
周りから見たらちょっと変な光景だったろうな・・・
これが、高次脳機能障害の症状でふたりともごく自然な感じがした。
周りを気にしないふたりだけの世界だった。
母の後遺症はこれから症状がはっきり分かって来るのだろうが・・・
多分、新しい記憶が覚えきれない気がする
今日は午前中はPTさんと平行棒で歩いたらしい。だが、覚えていない。
母は昔行っていたスーパーに行ったと言う。もう、そのスーパーは現在ない
環境が変わったことで機能も低下したようだ。ご飯も完食していたのに残したらしい。
周りが知らない人ばかりになって不安もあるだろう。
どこまで上がってくれるか期待はしたいが・・・
二人の高次脳機能障害を見て行くと思うと、気が重くなった
でも、悪くはならない。少しずつでも良くなっていく、そう言い聞かせながら・・・
心の整理をし、先々を考えようと思う・・・