先月7日に父が亡くなり、その後は緊張の糸が切れたのか体調は今一でした。
重症筋無力症(MG)の眼症状は、眼位のズレが振り切って斜視が常態化していたことから、いつも通りに左眼に抑制が掛かっていましたが、
体症状はというと、体幹と下肢の脱力が進行していながら、それに反して無理に動いていたのが影響して日内変動の振れ幅が大きくなってしまいました。
夕方以後はダルくて何もやる気が起きません。
今回は新顔として脊柱菅狭窄症も加わったようで、2022年4月の手術後に出来るようになった両足でのつま先立ちが出来なくなり(最近気付く)、
間欠性跛行も顔を出して、それらに連動するかのようにこむら返りが頻発するなど、脊柱菅狭窄症特有の症状(私の場合)が目に付くようになりました。
MGと脊柱菅狭窄症がコラボして、通勤時には何度も転びそうになったり、人にぶつかりそうになったりするなど、毎日スリリングなアトラクションを楽しんでいます。
神内主治医としては、症状が悪化しつつあるもまだ仕事が出来る脱力レベルのため、ステロイド服用に伴うリスクの低減を優先したいとのこと。
ステロイドミオパチー(検証中)に加え、緑内障が末期(左眼)で、冠動脈には軽度ながら石灰化した狭窄が3ヵ所あり、ポリープも出来やすい体質のため、ある程度のQOL低下は容認して欲しいとの説明を受けました。
今が踏ん張りどころのようです。
受診結果
(上下)
7⇒12⇒12⇒12⇒16⇒16⇒18⇒18⇒16⇒18⇒
16⇒14⇒18⇒18
(左右)
14⇒14⇒14⇒16⇒20⇒20⇒20⇒20⇒25⇒20⇒
18⇒20⇒16⇒16
【5m先でのプリズム量の推移(右端が今回)】
(上下)
3⇒ 3⇒ 8⇒10⇒16⇒16⇒16⇒18⇒18⇒18⇒
16⇒14⇒20⇒18
※1プリズム=1度のズレ
診察室に入り、いつも通り最近の症状の変化(以下の①〜④)を主治医に報告。
①特定疾病の一つに該当する脊柱菅狭窄症で、介護保険の要支援2に認定されたこと。
②先月父が亡くなり、その後体調が今一だったこと。
③常に左眼に抑制が掛かっていたこと。
④片足立ちと両足でのつま先立ちが出来なくなったこと。そのため歩行が益々おぼつかなくなったこと。
主治医による眼球運動チェックと両腕上げのみの体力チェックを受けた後、ステロイドは現状維持で大丈夫かと当方から切り出すと、
眼症状が悪化したままで、脱力も進行しているものの当面、同量の5.0㎎/日で様子を見てほしいとのこと。
今年の1月からステロイドを5.0㎎/日に減量したばかりで、今が踏ん張りどころのようです。
2017年 1月 10.0㎎/日(躁状態になり4日目で断薬)
2019年11月 5.0㎎/日(服用開始)
2019年12月 ステロイドパルス(フル)
2020年 1月 10.0㎎/日(+5.0㎎)
2020年 3月 15.0㎎/日(+5.0㎎) ※既往ピーク
2021年 6月 12.5㎎/日(△2.5㎎)
2021年 8月 11.0㎎/日(△1.5㎎)
2022年 4月 10.0㎎/日(△1.0㎎)
2022年 6月 11.0㎎/日(+1.0㎎)
2023年 2月 10.0㎎/日(△1.0㎎) ※約2年で5mg減量
2023年 7月 9.0㎎/日(△1.0㎎)
2023年 9月 7.5㎎/日(△1.5㎎)
2023年11月 6.0㎎/日(△1.5㎎)
2024年 1月 5.0㎎/日(△1.0㎎) ※約1年で5mg減量
主治医としては症状が悪化しつつあるもまだ仕事が出来る脱力レベルのため、今はステロイド服用に伴うリスクの低減を優先したいそうで、ある程度のQOL低下は容認して欲しいとの説明を受けました。
主治医の言うリスクとは、ステロイドミオパチー(検証中)に加え、緑内障が末期(左眼)で、冠動脈には軽度ながら石灰化した狭窄が3ヵ所あり(虚血性心筋症)、胃には良性ながらポリープ1つが残存しており、また、大腸ポリープも4回切除するなどポリープが出来やすい体質のこと。
何を優先するかはその都度変わるものですが、今はステロイドの副作用回避、リスク低減が最優先なのが主治医の説明で理解出来ました。
受診後の雑感
今回も最後までお読みいただきまして有難うございます。では、皆様もどうぞご自愛ください。
備忘録です
発症から受診の経緯
凡例 赤字 : 脳神経内科医 青字 : 神経眼科医
2019年11月 ステロイド5㎎/日を服用開始
体症状悪化により服用開始 ⇒ 以後徐々に増量
2019年12月 ステロイドパルス(フル)
複視、体症状悪化による入院治療⇒複視が改善
2020年 8月 整形外科病院を受診
①脊柱管狭窄症(当初は胸部・胸部と腰部の境界の2ヵ所、腰部は後日発症)、椎間板ヘルニア診断(頸部・胸部・腰部のあちこち)、側弯症の診断
②脊柱管狭窄症なども筋委縮・脱力の原因との説明を整形外科医から受ける
2020年 9月 免疫抑制剤を服用開始
2021年 6月 ステロイド減量開始
筋委縮と脱力がステロイドミオパチーの可能性もあると、検証をも兼ねてステロイド減量を開始(今に続く)
2022年 4月 脊柱管狭窄症手術
①新たに腰部に脊柱管狭窄症を発症し、歩行障害など明らかな症状があり、下肢脱力の原因の一つと考えられるため診断的治療を兼ねて手術を受ける
②術後に頻尿、便秘などの症状が改善し、膝から下の脱力が緩和
2024年 2月 脊柱管狭窄症による要支援2の認定
脊柱菅狭窄症が介護保険の特定疾病に該当し、症状と医師の意見書などから要支援2の認定を受ける
幾度も迷宮に入り込み、その都度何とか脱出してここまで来ることが出来ました。
MG主治医は他の神経系疾患の可能性を否定しておらず、そのため治療も慎重で(たぶん)、紆余曲折の鑑別診断の行き着く先はまだ見通せません。
症状の経年変化
脱力の自覚は複視を自覚した翌年の2016年春頃。先ず体幹と下肢が脱力して、その後は全身へと広がって行きました。
筋委縮の自覚は脱力の自覚から2年ほど遅れて2018年の秋頃。臀部と下肢から始まり、これまた徐々に全身へと広がりました。
私の場合、体幹と太腿の脱力が一番強く、そのため長い時間椅子に座れず、屈む、しゃがむ、起き上がるなどの体幹・下肢を使う動作が苦手です。
以前は適度なリハビリと称していた布団からの起き上がりは、今では途中何度も休みながらやっとの思いで起き上がったかと思うと、体力を使い果たしてその場に立ちすくむこともしばしば。
適度なリハビリが脱力の進行により、すっかり苦行と化してしまいました。
子供の頃、盲腸手術後に病院のベッドから落ちて以来嫌いになったベッドの導入を、いよいよ検討しなければならないようです。
また、以前から一度歩き出すと急に止まったり方向転換が苦手でしたが、脱力の進行により困難になりつつあり、緑内障の視野欠損の影響もあり人通りの多い場所を避けるようになりました。
余談ですが、言わずと知れたデパ地下は最難関の場所。それこそ滅多なことでは近付けません。
体幹の脱力は呼吸(筋)にも影響があるようで、仰向けに寝た時にSpO2(酸素飽和度)が95を切ることがありますが(たまに90まで下がります)、
その際は、仰臥位でも頭を高くしたり、側臥位や腹臥位で息苦しさを和らげるようにしています。
また、普段から呼吸が少し浅いような気もしますが、今では慣れたのか特に息苦しいと感じることは無くなりました。
手と上腕の脱力は、感覚的には体幹・下肢ほどではなく、握力は両手とも10㎏〜20㎏の間を維持しています。
が、それでもペンで文字を書けば直ぐにグダグダで、恥ずかしながらミミズが這ったような文字になってしまいます。
食事はというと、噛むのと箸を口元に運ぶのが面倒で、硬いものはなるべく避けるようにしているのですが、なぜだか柔らかいはずのパン🍞で顎が疲れるのは不思議なところ。
疲れ果てて食べ終わってしばらくテーブルから動けなくなることも多く(特に夕食後)、食事でこれ程体力を使うのかと改めて認識した次第です。
ただ幸いなことに今のところ嚥下機能には問題は無いため、この機能はいつまでも温存してほしいと思うこの頃です。
薬の履歴
2017年 1月 ステロイド10.0㎎/日(4日目で断薬)
※以後現在までメスチノンを朝昼晩の各1錠服用
2019年11月 ステロイド5.0㎎/日(服用開始)
2019年12月 ステロイドパルス(フル)
2020年 1月 ステロイド10.0㎎/日(5.0㎎増量)
2020年 3月 ステロイド15.0㎎/日(5.0㎎増量)
2020年 9月 ステロイド15.0㎎/日(同量)
2020年 9月 プログラフ2㎎/日(服用開始)
2021年 1月 ステロイド15.0㎎/日(同量)
2021年 1月 ネオーラル100㎎/日(種類変更)
2021年 6月 ステロイド12.5㎎/日(2.5㎎減量)
2021年 6月 ネオーラル100㎎/日(同量)
2021年 8月 ステロイド11.0㎎/日(1.5㎎減量)
2021年 8月 ネオーラル100㎎/日(同量)
2022年 4月 ステロイド10.0㎎/日(1.0㎎減量)
2022年 4月 ネオーラル100㎎/日(同量)
2022年 6月 ステロイド11.0㎎/日(1.0㎎増量)
2022年 6月 ネオーラル100㎎/日(同量)
2023年 2月 ステロイド10.0㎎/日(1.0㎎減量)
2023年 2月 ネオーラル100㎎/日(同量)
2023年 7月 ステロイド 9.0㎎/日(1.0㎎減量)
2023年 7月 ネオーラル100㎎/日(同量)
2023年 9月 ステロイド 7.5㎎/日(1.5㎎減量)
2023年 9月 ネオーラル100㎎/日(同量)
2023年 11月 ステロイド6.0㎎/日(1.5㎎減量)
2023年 11月 ネオーラル100㎎/日(同量)
2024年 1月 ステロイド5.0㎎/日(1.0㎎減量)
2024年 1月 ネオーラル100㎎/日(同量)