先日(9月22日)は、8週間振りの受診日でした。


先ずは重症筋無力症(MG)の【眼症状】の経年変化を整理すると・・・


常時複視の状態が7年ほど続いていたなか、左眼に抑制が掛かったり外れたりを繰り返して来ましたが、半年ほど前から抑制状態がほぼ定着しました。


今でも一点を凝視した時、左右に視点を動かした時などに一瞬抑制が外れて複視に戻りますが、


凝視せずにボヤッと見れば抑制が掛かるという術を習得してからは、その術を駆使して右眼のみで見る視界、単眼視に戻られるようになりました。


ぐちゃぐちゃな視界、複視を認識しないというのは、正しく世界が一新したような感覚で快適そのものです。


ただ快適といっても単眼視にもデメリットがあり、常時複視の時と同様に両眼視が出来ないため、立体感と距離感が全く掴めません。


ストレスフルな常時複視から開放されて慎重さが失せたこともあり、歩いている時に人や物にぶつかったり、段差を踏み外すことが多くなりました。


ヒヤッとすることも度々あり、気をつけねばと思う毎日です。


⬇️使い回しの画像で恐縮ですが、複視がある時の私の見え方を再現したものです(日内変動でズレが拡大している夜のケース)。上下斜視と回旋斜視があるため上下斜めに画像が重なっています。


⬇️今はこんな感じで眼位が固定化しており、当然ながら両眼の協調性は全くありません。





次に【体症状】の経年変化を整理すると・・・


複視は2015年12月に自覚して、数ヵ月遅れて体幹(特に背中)に脱力・筋力低下を自覚しました。


以来、体幹から始まった脱力・筋力低下は徐々に全身へと広がり、本当にゆっくりとしたペースで進行しています。


2019年11月からMG治療の一環でステロイドの服用を開始し(5㎎/日)、


その後順次増加して、2020年3月から1年ほど15㎎(既往ピーク)を服用していた時には脱力・筋力低下の進行速度が遅くなり、比較的体調も良かったのですが、


2021年6月からステロイドの減量を始めてから脱力・筋力低下が若干加速して、再開してしまいました。


筋萎縮は、2018年9月に臀部と下肢で自覚。脱力と連動しつつ、これまたゆっくりしたペースで全身で進行しています。


私の場合、重症筋無力症(MG)の体症状は軽度との診断ではあるものの、


脊柱管狭窄症など胸椎骨折の合併症の影響もあることから特に体幹と下肢の脱力が強く(たぶん)、


そのため布団から起き上がること、屈むこと、しゃがむことなど、体幹を使う動作がとても苦手です。


歩き出しの一歩もキツく、一度歩き出せば急に止まったり、方向転換が出来ません。


また最近では、MGによる脱力・筋力低下の進行とともに、先天性内反足治療で治りきらずに残った軽度の後遺症、内反と尖足が目立つようにもなり、足運びにも更に慎重さが必要となりました。


踏んだり蹴ったりとは、このような事を言うのでしょうか。

⬆️画像はお借りしました。


左足首の軽度の内反と尖足に加え、アキレス腱に力が入らないという後遺症が子供の頃からあり、


物心付いた頃から、左足先が地面に当たり躓かないよう、左足甲が右足ふくらはぎに当たらないよう常に注意して歩いていたのですが、


脱力が進むに連れてそれも難しくなり、3年前から左足首の可動域を狭くすべく装具を付けるようになりました。


⬇️今付けている装具は布製のサポーターのようなもので、内反をある程度抑える効果がありますが、


今後、左足首の変形が進行するようであれば、更に可動制限のあるプラスチック製の物などにバージョンアップしていくと整形外科医から告げられています。





今でこそ脱力・筋力低下は重症筋無力症と脊柱管狭窄症など階段転落の後遺症によるもの、


カクカクした歩き方は脊柱管狭窄症・椎間板ヘルニアと先天性内反足によるものと一応整理されていますが、


科を跨いだ複数の疾患を鑑別する術が無く、発症当初から経過観察が主体であったことから、ここまで来るにも7年ほど掛かりました。


耳鳴り、味覚障害などの症状の鑑別は積み残したままではありますが・・・


ちなみに医師が鑑別診断するうえで考慮に入れた複数の疾患は、以下の通りです。


先天性内反足(誕生時から)
重症筋無力症(眼筋型⇒全身型)
脳脊髄液減少症
脊柱管狭窄症(胸椎・胸椎と腰椎の境界・腰椎)
椎間板ヘルニア(胸椎から腰椎にかけてあちこち)
他の神経疾患(可能性の一つとして)


緑内障主治医からは冗談半分で『未発見の神経疾患ではないか』と言われることがありますが、それもありかなと考えることもあり、


「原因が判れば見っけ物」ぐらいの気持ちで、これからも各症状と付き合って行こうと考えています。


過去からの経緯を含めてご説明したため前置きがとても長くなりました。申し訳ありません。



では、受診結果を以下にご報告いたします。





先ずは2022年4月からのプリズム量の推移を見れば徐々に悪化しているのが判るかと思います。今回は少しだけ改善されていました。


【手元距離でのプリズム量の推移(右端が今回)

(上下)

7⇒12⇒12⇒12⇒16⇒16⇒18⇒18⇒16⇒18⇒16

(左右)

14⇒14⇒14⇒16⇒20⇒20⇒20⇒20⇒25⇒20⇒18

 

【5m先でのプリズム量の推移(右端が今回)

(上下)

3⇒  3⇒  8⇒10⇒16⇒16⇒16⇒18⇒18⇒18⇒16

 ※1プリズム=1度のズレ





では本題です。


今回も結論から申し上げれば、症状がさほど改善されていないにもかかわらず、ステロイドミオパチーの検証を優先して、


ステロイドを9.0㎎/日から7.5㎎/日へ1.5㎎減らすことになりました。


最終目標である5.0㎎/日にぐっと近づきました。


実のところ今回のステロイド減量は、私から主治医にお願いしました。


夏の暑さが過ぎて脱力は変わらずあるものの、ダルさが格段に改善されたことが最大の理由ですが、


筋萎縮などの鑑別診断を進める意味でもステロイドミオパチーの検証を進めたいとの思いに加え、


以下の2点(①②)が少しばかり気になり出したのも理由としてあります。


①緑内障・・・いくらステロイドの影響は無いと緑内障主治医に言われているものの、視野欠損(緑内障)に加え、変視症などの眼症状の進行が止まらないこと。


②虚血性心筋症・・・冠動脈の3ヵ所が石灰化して軽度の狭窄があるなか、今年春の人間ドックで大動脈の石灰化が進んでいたこともさることながら、膵臓に流入している動脈の一部が石灰化していることが新たに判明して経過観察とはなったものの、血圧、血液検査が正常値で原因が加齢だけでは説明出来ないこと。


主治医もステロイド減量については前回同様に快諾。体調を見ながら、いよいよ最終目標の5.0㎎/日を目指すことになりました。




症状が改善されていないなかのステロイド減量ですが、メリット・デメリットなどを踏まえ、私なりに総合的に考え判断したつもりです。


吉と出るか凶と出るかは、こればかりはやってみなければ判りません。当面誤魔化しながら、極力体力を温存しながら、やり過ごして行こうと思います。


結果が楽しみです?


何だか今回も纏まりの無い、長文、駄文になってしまいました。最後までお読みいただきまして有難うございます。



では、このへんで失礼します。皆様もどうぞご自愛ください。

 

 

 

 

経緯


(赤:MG・脳脊 青:諸症状 緑:緑内障 ピンク:整形)


2015年  4月 高血圧症の診断('20年5月完治)

2015年  5月 高尿酸血症の診断('20年5月完治)

2015年  5月 失神により自宅階段転落(胸椎骨折)

 ※以後、疼痛のため頻繁に鎮痛剤を服用

2015年12月 複視を自覚

2015年12月 緑内障の診断(左眼:中期、右眼:初期)

2015年12月 白内障の診断('22年4月・両眼手術)

2015年12月 食道裂孔ヘルニアの診断

2015年12月 逆流性食道炎の診断

 

2016年  1月 ドライアイの診断

2016年  3月 歩行障害、頭痛、耳鳴りを自覚 

2016年  9月 大腸ポリープ切除①(炎症性)

2016年10月 味覚障害を自覚

2016年12月 粉瘤切除

2016年12月 腰痛により鎮痛剤と筋弛緩剤を服用

 ※筋弛緩剤服用後に脱力、複視悪化

 

2017年  1月 重症筋無力症(MG)疑いの診断

 ※ステロイド10㎎/日服用するも躁状態になり断薬

2017年  2月 シェーグレン症候群疑いの診断

2017年  2月 母指CM関節症(左手)の診断

2017年  4月 腹筋痙攣・腓返り・上腕ピクつき

 ※徐々に脱力も進行しながら夏頃まで頻発

2017年  7月 A大学病院にてMG(眼筋型)確定診断

2017年  8月 脳脊髄液減少症(脳脊)の診断

2017年  9月 B大学病院にてMGと脳脊の鑑別診断

       (12月・併発との診断)

2017年12月 B大学病院にてMG(眼筋型)確定診断

 

2018年  5月 脂質異常症の診断('20 年5月完治)

2018年  9月 臀部と下肢の筋萎縮自覚(以後全身に)

2018年  9月 大腸ポリープ切除②(腺腫性)

 

2019年  5月 脾腫の診断

2019年  5月 虚血性心筋症の診断

2019年  5月 ダイエット開始

2019年  7月 目眩①にて救急搬送

 ※前庭神経炎疑いの診断

2019年  7月 便秘(脊柱菅狭窄症手術により改善)

2019年11月 ステロイド5㎎/日(服用開始)

2019年12月 ステロイドパルス(フル)

 

2020年  1月 ステロイド10㎎/日(5㎎増量)

2020年  3月 ステロイド15㎎/日(5㎎増量)

2020年  3月 後部硝子体剥離(左眼)

2020年  4月 ダイエット終了(1年間で13㎏減量)

 ※高血圧症・高尿酸血症・脂質異常症が完治

2020年  5月 目眩②

2020年  8月 脊柱管狭窄症(胸部)の診断

2020年  8月 椎間板ヘルニア(頸部胸部腰部)の診断

2020年  8月 側弯症の診断

2020年  9月 重症筋無力症(全身型)の確定診断

2020年  9月 ステロイド15㎎/日(同量)

2020年  9月 プログラフ2㎎/日(服用開始)

 

2021年  1月 ステロイド15㎎/日(同量)

2021年  1月 ネオーラル100㎎/日(種類変更)

2021年  1月 後部硝子体剥離(右眼)

2021年  5月 大腸ポリープ切除③(腺腫性)

2021年  6月 ステロイド12.5㎎/日(2.5㎎減量)

2021年  6月 ネオーラル100㎎/日(同量)

2021年  7月 変視症を自覚(両眼)

2021年  8月 ステロイド11.0㎎/日(1.5㎎減量)

2021年  8月 ネオーラル100㎎/日(同量)

2021年  9月 目眩③(新型コロナワクチン接種2日後)

2021年  9月 左眼にSLT(レーザー線維柱帯形成術)

2021年  9月 頻尿(脊柱菅狭窄症手術により改善)

 

2022年  3月 眼圧低下も期待して白内障手術(両眼)

2022年  4月 ステロイド10.0㎎/日(1.0㎎減量)

2022年  4月 ネオーラル100㎎/日(同量)

2022年  4月 緑内障末期(左眼)、中期(右眼)の診断

 ※SLT、白内障手術でも眼圧下がらず点眼治療再開

2022年  4月 脊柱菅狭窄症(腰部)手術⇒諸症状改善

2022年  5月 大腸ポリープ切除④(過形成性)

2022年  6月 ステロイド11.0㎎/日(1.0㎎増量)

2022年  6月 ネオーラル100㎎/日(同量)

 

2023年  2月 ステロイド10.0㎎/日(1.0㎎減量)

2023年  2月 ネオーラル100㎎/日(同量)

2023年  7月 ステロイド 9.0㎎/日(1.0㎎減量)

2023年  7月 ネオーラル100㎎/日(同量)

2023年  9月 ステロイド 7.5㎎/日(1.5㎎減量)

2023年  9月 ネオーラル100㎎/日(同量)